野球界隈では「名選手名監督にあらず」っていう言葉が浸透しているけど、こと小説なりマンガなりといった創作関係では
「ヒット作もない先生の話をどう信じろというのだ」というのがいまだに根強いし、個人的にはそう言いたくなるのも分かる。
「名選手名監督にあらず」をしっかりと分かっていれば「ヒット作を生み出す才能」と「自分の知識を文章化して伝え教える才能」は別モノだと分かるのだが、
創作関係ではなぜか「ヒット作もない先生の話をどう信じろというのだ」という言葉がまかり通っている。
長嶋茂雄監督が良い例……かどうかは分からないがあって、松井秀喜選手をコーチしていた時に、タイトルにもなっている
『「ブーン」でも「ブン」でもない「プン」だ』ってアドバイスをしたそうだけど、体育の授業でしか野球をやったことが無い身からしたら「ど う し ろ と ?」としか言えない物ですよ。
結局そのアドバイスは上手く行ったそうですが、それは『松井秀喜っていう名選手相手』なら上手く行ったんだろう。と想像するのは簡単かとおもいます。
このように、名選手であってもそのまま名監督には成れないんです。
知識については「暗黙知」と「形式知」という対になる言葉があります。
ざっくりいうと前者は言語化されていない知識、後者は言語化された知識で、暗黙知っていうのは「センス」とか「ノウハウ」「コツ」「職人技術」とも呼ばれています。
一方で形式知は「言語化されて」誰にでも分かる形になった知識の事なんですが、
重要なのは「そんなの当たり前の事じゃないか」っていう物でも「頭の中から取り出して言葉や文章に書きだして他人に説明出来ない、感覚頼りの物は暗黙知」っていうのが大事です。
「ヒット作もない先生の話をどう信じろというのだ」という意見を受け入れている先生が言うには「それはもっともな意見だと思う」としておきながらも、
「ヒット作を出した経験のある人がそれを上手く教えられるわけでもないし、教わった人がまた同じく成功できるわけでもないので、
そこを全て成功体験した人に依存するのが”危うい”ポイント」とも言ってました。
極論を言うけど、ワンピースの尾田栄一郎先生にマンガの描き方を教わればすぐにワンピース並みのヒット作がポンポコ量産されると思いますか?
むしろドラゴンボールやワンピースみたいな10年以上続く超長期連載のマンガは圧倒的に少ないのを見るに、マネしにくい作家人生かと思います。
そりゃ言いたいことは分かるよ?
「オレは超一流に教わってドカンと爆発して印税生活を送りたいんだ!」ってのは分かるけど「浅はかな思い」だ。とは言っておく。
というか「パクられないように守り続けた処女作が絶対成功させてくれる人の協力でドカーン! と世界がひっくり返るほどの大ヒットぶっ放してオレがテッペンに立つ!」
っていうの、正直言って年末ジャンボ宝くじで1等に当たるよりも確率低いぞ。言っとくが宝くじ買った方がいい、ってよっぽどのことだぞ。
Xやってます。日常生活で思ったことをつぶやいています。
https://x.com/agatuma_yui作品一覧はこちらから。
https://kakuyomu.jp/users/agatuma-yuiよろしければフォローをお願いします。