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〈ヴァチカンのエクソシスト〉

書き手&消費者として、〈ヴァチカンのエクソシスト〉を公開早々に観てきました!

イタリアに実在したエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父をラッセル・クロウが演じているという…フライヤーを見たときは、「いやごつすぎんだろ」と思いました(笑)。「悪魔と戦うならグラディエーターがいいと思ったんじゃないの」とはホラー映画好きの相方の談。まあそうだろうな。

夫を事故で失い、唯一の遺産として残されたスペインの修道院を改修して生活の糧にしようと現地を訪れたシングルマザーの母子。その中で幼い息子が、修道院に潜む悪魔に憑りつかれ、それを祓うために、ローマ教皇からの命でアモルト神父が派遣される…というストーリー。

アモルト神父の回顧録を、生前にご本人了承の上アレンジし脚本化したそうですが、一言でいうと「明るいアクションホラー」(笑)。

オカルトを「明るい」というのもどうかと思いますが、途中から、もうニヤニヤしっぱなしでした。

●現地でアモルト神父の助手を務める、ダニエル・ゾヴァット演じるトマース・エスキベルという若手の神父がいるのですが、序盤の悪魔祓いに入る前にアモルト神父から「罪の赦しは得ているか」と確認されて「この前告解したのは8か月前…」と答える。
これにはアモルト神父も(私も!)呆れますが、その後にやるのが、具体的な告白をせず罪の赦しを与える、いわば“インスタント告解”!
もうここで私は座席で体を折って笑っていました。
告解シーンはあと二回出てくるのですが、そこはさすがに厳粛なシーンなので、カトリック聖職者の面目躍如というところでしょう。

●過去の映画へのオマージュもちらほらするのも楽しいところ。まだ〈エクソシスト〉(1973)を観たことがない方は、見てから行かれることをお勧めします。
とはいえ、〈エクソシスト〉のカラス神父の苦悩と比べると、どうしてもアクションホラーだという印象が強くなってしまうのが痛いところで…。

●これはもう個人的な嗜好なのですが、カギとなる悪魔の名前がア○○○○スなのはベタだなー、とか、アモルト神父とエスキベル神父の「バディ映画的な要素も楽しめる」とあるけど、この二人の関係性全然セクシーじゃないんだよな(笑)とか、イタリア語から途中で英語になるのは何故??とか、まあ色々考えさせられる映画でした。

●途中で「ラテン語が苦手」だと言っていたエスキベル神父がラテン語の祈りを何とかマスターするところで「おお、私もちょっぴり聞き取れた!」と感動したり(効果音が騒がしいのでそもそも何言ってるのかわからないし、英語字幕が出る)、「レギオン」と「豚」とか、「二人が私の名によって…」とか、「あー、ココは聖書のここだよね!」と、トリビア的な発見もあるのがまた…。

●スクーターに乗っているアモルト神父(というか、恰幅のいいラッセル・クロウ)のすね毛がのぞくのは見たくない(笑)とか、美麗な人が着るとスーツでもカソックでも十分セクシーだな(エスキベル神父を引きで眺めると黒ずくめの全身像が美しい&ヴァチカンのシーンで香炉を持って通りすぎるカソック姿の若い聖職者が美形)、「お前をF○○Kして…」&それに続くセリフが秀逸だしできるなら作中でも使ってみたいけどよりにもよってラッセル・クロウに言う?!とか、若干邪な感想を持ったこともまた事実ですが。

とにかく今の望みとしては、この映画をきっかけに、もうちょっと、本格的なエクソシストをネタにした作品が出てこないかなー、と思っています。
「ヴァチカンのエクソシスト」は「公的エクソシスト」で、民間のお祓い師(これもエクソシストといいますが)とは違うと定められているので。そして私はこういうガチの設定の方が好きでして(でなけりゃあんなの書いてない)…あとはもうヴァチカンに怒られようがどうなろうが、セクシーな要素を入れてくれたらホント天にも昇るほど嬉しいのですが。

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