ひっそりと、遊郭ものを連載しました/しています。
まずは、2万字少々の短編「みそかの月」(
https://kakuyomu.jp/works/16817139558134833125)です。
「卵の四角に女郎の真、あればみそかに月が出る」=女郎の真心なんて四角い卵や(旧暦では必ず新月になる)末日に月が出るくらいあり得ない、という都々逸をもとに、振袖新造(遊女見習い)の少女が花街の酸いも甘いも知っていくお話です。
華やかさと裏腹のほろ苦さをお楽しみいただけると幸いです。そもそもはだいぶ前に公募用に書いたものですが、個人的には結構気に入っている作品なのでお読みいただけると嬉しいです。
また、新連載も開始しました。「あやかし遊郭の居候 ~明治吉原夢幻譚~」(
https://kakuyomu.jp/works/16817139557994398080)です。
こちらも遊郭もの、ただし時代はぐっと下った明治三十年代を舞台にしつつ、あやかしが登場したりする──つまりはキャラ文芸やライト文芸を意識したべったべたなお話です。
明治時代の吉原。娼妓見習いである千早は、ある日、売り飛ばされかけてそれまで育った見世を逃げ出す。とはいえ世間知らずの身に行く宛もなく、あわや捕まるかと思った瞬間、気が付くと見知らぬ古風な妓楼に辿り着いていた。謎めいた美貌の楼主・朔が仕切るその見世の名は、月虹楼。あやかしの花魁が客を迎える、世の狭間にある見世だった。
人があやかしを信じなくなる昨今、千早はふたつの世の絆を繋ぐ貴重な客人なのだとか。朔に乞われて、千早は当面の間月虹楼に居候することになる。往事の江戸の吉原のように、ゆったりと粋な雰囲気の漂う見世で、様々な姿形のあやかしに囲まれて──千早は初めて将来のこと、自分の生き方を考え始める。
一方人の世では、なぜか執拗に千早を追い求める者たちがいて──
という感じのお話です。不遇ヒロインがあやかしの世界で甘やかされたりしつつ、狙われる理由を解き明かしたり解決したりしていくお話です。
魔法のiらんど大賞応募のために書いているのですが、あちらのサイトだとなかなか反応がもらえないので、こちらで読んでいただけると励みになるなあ、という感じです。
コンテストの規約上、9月中に完結するつもりで(その予定で!)執筆しております。とりあえず9/6(火)までは一日二回更新、以降は毎日更新でやっていこうと思います。
短編も長編も、どうぞよろしくお願いいたします。