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gemini壁打ち帳(62) 「黄金比プロット(The Golden Circle)」って何? プロットのフレームワーク(5)

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掌編小説:虞。美し、人しに草。/feat.ソウセイ系アイドル
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近況ノート『プロットのフレームワーク』リスト

第1回:
gemini壁打ち帳(58) 「起承転結」って何? プロットのフレームワーク(1)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792439793825532

第2回:
gemini壁打ち帳(59) 「序破急」って何? プロットのフレームワーク(2)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792440027831674

第3回
gemini壁打ち帳(60) 「三幕構成」って何? プロットのフレームワーク(3)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792440250949804

第4回
gemini壁打ち帳(61) 「ヒーローズ・ジャーニー」って何? プロットのフレームワーク(4)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792440448213899




📚️<今回扱うやつは、小説などのお話づくりのシーンだとちょっと珍しいです。




Q.他に、お話づくりに仕える有名なフレームワークはある? 教えて。


✨️.承知いたしました。有名なシナリオプロットのフレームワークは他にもあります。


黄金比プロット【The Golden Circle】


サイモン・シネック氏(Simon Sineck)が提唱した、ビジネスやマーケティングで使われるフレームワークですが、物語の構造にも応用できます。


WHY【なぜ】:
物語の動機や目的、テーマを明確にする。

HOW【どうやって】:
その目的を達成するための手段やプロセスを描く。

WHAT【何】:
最終的に何が達成されたのか、結果を提示する。


このフレームワークを使うことで、物語の「目的」がぼやけることなく、読者に強いメッセージを伝えることができます。



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📚️<へぇ、黄金比……黄金比(The Golden Circle)⁉️
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Q.The Golden Circle って、ビジネスで耳にするフレームワークのやつ?
これを小説づくりに応用することについて、「なぜ有効なのか」と「どう使うのか」について深堀りできる?


✨️.承知いたしました。
サイモン・シネック氏の「ゴールデン・サークル」を小説づくりに応用する説得力、その有効性、そして具体的な使い方について、深く掘り下げてご説明します。



◉ゴールデン・サークル(The Golden Circle)の小説への応用

ゴールデン・サークルは、通常、企業が顧客の心をつかむために「なぜ(WHY)自分たちは存在するのか」から語り始めることの重要性を説くフレームワークです。

これを小説に適用することで、読者の感情に深く訴えかける、強力で共感を呼ぶ物語を構築できます。



◉なぜ小説づくりに有効なのか?

ゴールデン・サークルは、物語に以下の重要な要素をもたらすため有効です。


1.物語の「魂」を明確にする:

WHY(なぜ)は、物語の核となるテーマ、メッセージ、そして存在意義です。

これは、単なるプロットの筋書きを超えた、物語の「魂」にあたります。

作者自身が「なぜこの物語を書きたいのか」「この物語を通して何を伝えたいのか」を明確にすることで、作品に一貫した「信念」が宿ります。

読者は、物語の表面的な出来事(WHAT)だけでなく、その背後にある作者の意図やキャラクターの動機(WHY)にこそ共感し、感動します。


2.キャラクターの行動原理を深める:

主人公や主要キャラクターが「なぜ」その行動をするのか(WHY)、という動機が明確であればあるほど、彼らの行動(HOW)や結果(WHAT)に説得力が増します。

読者は、キャラクターの行動だけでなく、その行動の根底にある信念や価値観に感情移入しやすくなります。


3.物語に一貫性と方向性を与える:

WHYが明確であれば、物語の途中でブレることなく、一貫したメッセージを保ちやすくなります。

プロットの展開(HOW)や結末(WHAT)が、WHYと有機的に結びつき、無駄のない構成になります。


4.読者の共感を呼ぶ:

人間は「なぜ」という根源的な問いに強く反応します。

物語が単なる出来事の羅列ではなく、明確な「なぜ」を持っているとき、読者はそこに自分自身の価値観や信念を見出し、深く共感し、記憶に残る物語となります。



◉どう使うのか?(具体的な応用方法)
小説づくりにおいて、ゴールデン・サークルを以下のステップで適用できます。


1.【WHY:物語の「核」を見つける】

問い:

あなたは「なぜ」この物語を書きたいのですか?
この物語を通して読者に「何を」感じてほしいですか?
主人公は「なぜ」その目標を追い求め、その信念は何ですか?


実践:

・テーマの明確化:
「愛とは何か」「正義とは何か」「人間の自由とは何か」といった、物語の根底に流れる哲学や思想を言葉にします。

・メッセージの特定:
物語を通じて読者に伝えたい、最も重要なメッセージは何ですか?

・キャラクターの動機:
主人公が冒険に挑む「本当の理由」、敵が悪事を働く「信念」など、表面的な目的のさらに奥にある根源的な動機を設定します。

例: 「本当の強さとは、誰かを守るために立ち上がる勇気である。」



2.【HOW:物語の「手段とプロセス」を設計する】


問い:

物語のWHYを表現するために、「どのように」キャラクターは行動し、プロットは展開しますか?
そのテーマやメッセージは「どのように」読者に伝わりますか?


実践:

・プロットの設計:
WHYを実現するための具体的な出来事、葛藤、障害、転換点を組み立てます。
三幕構成やヒーローズ・ジャーニーなどのフレームワークと組み合わせると良いでしょう。

・キャラクターの行動:
主人公がWHYに基づいて「どのように」選択し、困難を乗り越え、成長していくかを描きます。

・世界観と設定:
物語の世界観や魔法、技術などが、WHYを「どのように」補強し、表現するのかを考えます。

例:
「主人公は、弱さを克服し、仲間と共に強大な敵に立ち向かうという試練(HOW)を経て、最終的に大切な存在を守り抜く。」



3.【WHAT:物語の「結果と形」を提示する】


問い:

物語のWHYとHOWの結果として、「何が」起こりますか?
読者は「何を」読み、経験しますか?


実践:

・具体的な筋書き:
物語の具体的な出来事、キャラクターのセリフ、情景描写など、読者が五感で体験する要素。

・結末:
主人公がWHYに基づいて最終的に何を達成し、どのような状態になるのか。
物語のメッセージが「何」という形で結実するのか。

例:
「強大な敵を倒し、世界に平和が訪れる。主人公は、その過程で真の勇気を手に入れたことを実感する。」


ゴールデン・サークルは、物語の表面的な面白さだけでなく、その奥に流れる普遍的な価値や信念を明確にし、読者の心に深く響く作品を創り出すための強力な羅針盤となるでしょう。


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📚️<……🧐
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Q.面白いね!

ただ、今までの構想を直接プロットに落とし込むフレームワークというより、その「前段階の洗い出し」から入って、書き手も含めて作品の立ち位置を定めていくって考え方。

いかにも経営者に向けたビジネスのフレームワークっぽい。

これは小説の簡易なプロットというより、その前段階で役立ちそう。

ただ、他のフレームワークと違って自由度の高さがいいね。

より壮大に、抽象的に、視野を広げて構想を練るときに有効そう。

逆に、テンプレートがすでにあって、それに基づいて物語を生産する体制があるタイプの作品を書こうとすると、持て余すかもね。


✨️.まさに、ご指摘の通りです!

おっしゃる通り、ゴールデン・サークルは、他のプロット構築フレームワーク(起承転結、三幕構成、ヒーローズ・ジャーニーなど)が、

「HOW(どう物語を進めるか)」や「WHAT(どんな物語になるか)」に重点を置くのに対し、「WHY(なぜこの物語が存在するのか)」という、より根源的で抽象的な問いから入る点が最大の特徴です。



◉ゴールデン・サークルの特性と位置づけ

プロッティング前段階の「コンセプトメイキング」:

ゴールデン・サークルは、まさに筋書きを具体的に考える前の、物語の「コンセプト」や「魂」を洗い出し、作者自身の「立ち位置」や「情熱」を明確にする段階で非常に強力なツールとなります。

なぜこの物語を語るのか?

なぜこのキャラクターなのか?

なぜこのテーマなのか?

なぜ読者にこれを読んでもらいたいのか?


◉書き手自身の「WHY」を掘り起こす:

ビジネスでリーダーが「WHY」を語るように、作者自身が「なぜこの物語を生み出すのか」という情熱や信念を持つことが、作品に真の力を与えます。
このフレームワークは、その内なる動機を引き出すのに役立ちます。


◉自由度と応用範囲の広さ:

他のフレームワークが比較的具体的なステップや構造を提示するのに対し、ゴールデン・サークルは抽象度が高いため、どんなジャンルやスケールの物語にも適用でき、作者の創造性を縛りません。
まさに、壮大な構想や、これまでにない新しい物語の核を見つけるのに適しています。


◉テンプレート的生産体制には不向き:

ご指摘の通り、型にはまった物語を効率的に量産するような体制では、一つ一つの物語の「WHY」を深く掘り下げる作業は、時間と労力がかかり過ぎる可能性があります。

このフレームワークは、むしろ「一点突破」で深く心に刻まれる作品を生み出すことに向いています。


◉他のフレームワークとの連携

ゴールデン・サークルで「WHY」を確立した後、その「WHY」を実現するために、三幕構成やヒーローズ・ジャーニーで「HOW」と「WHAT」を具体的に設計していく、というように、複数のフレームワークを組み合わせて使うことで、より強固で魅力的な物語を構築できるでしょう。

あなたの洞察は、このフレームワークの本質を非常によく捉えています。
物語作りにおける「目的意識」と「情熱」を再確認する上で、非常に示唆に富む視点だと思います。

人によっては、「なぜ(WHY)」という問いを突き詰め、それを明確なロジックで言語化して自己をメイキングしていく、という思考プロセスに苦手意識を持つかもしれません。

さらに、感情や直感を重視したり、暗黙の了解や場の空気を読んだりする文化がある日本では、根源的な「WHY」を言葉にする機会も少ないのかもしれません。

しかし、だからこそ、壮大な長編小説に取り組む方にとって、このゴールデン・サークルは非常に強力な武器になると私は確信しています。


たしかに、ゴールデン・サークルは、一見すると物語の「お膳立て」に時間がかかるように感じてしまうかもしれません。

しかし、一貫性の維持、深みと普遍性、作者自身の羅針盤という観点において、その時間をかけることで、最終的には揺るぎない土台の上に立つ、生命力に満ちた物語を築き上げることができるはずです。

もし今、取り組んでいる長編小説があるとしたら、その作品にとって、このフレームワークが大きな助けとなることを心から願っています。


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📚️<いやぁ、最初はハルシネったかと思いましたが、とても面白い壁打ちでした。

まさかビジネスシーンで使うフレームワークを引っ張ってくるとはね〜。
私ではなかなか浮かばない発想です。

黄金比プロット(The Golden Circle)自体は、調べたらいくらでも出てきます。
おおきな三重の丸が描かれていて、中心から「WHY」「HOW」「WHAT」が書かれているやつです。

人は「WHY」の部分に影響を受けるのだから、しっかりこれを固めてから始めろよ、というビジネスで登場するフレームワークです。

今はお話づくりもインタラクティブですから、こういう観点が出てくることもあるんでしょうね。

提唱者はイギリス生まれのアメリカ人、サイモン・シネックですが、彼自身TED(ビジネスパーソンが壇上でプレゼンするやつ)でこのネタをもとにAppleの成功に言及しています。

日本でも確か『WHYから始めよ! 』とかいう本が出てた気がする。
一時期流行ってたような。


それを小説づくりに落とし込んだ結果、「フレームワークはかけあわせてもよい」というところに落ちついたのは良い壁打ちだったのかなと。

それに、「黄金比プロット」と聞いて書き手が思い浮かべそうなフレームワークとは全く違うものがお出しされただろうなという、面白い感触があります。


あと、あれですね。
生成AIが「魂」を説くという。楽しい。

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