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gemini壁打ち帳(63) 「クエスト・プロット(The Quest)」って何? プロットのフレームワーク(6)

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創作のこと:小説で情景を書くための500文字のてびき。
✨️https://kakuyomu.jp/works/16818792440586390483/episodes/16818792440586393714
📚️<すぐに読めます。小説で情景を書くということについて。
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近況ノート『プロットのフレームワーク』リスト

第1回:
58 「起承転結」って何? プロットのフレームワーク(1)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792439793825532

第2回:
59 「序破急」って何? プロットのフレームワーク(2)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792440027831674

第3回
60 「三幕構成」って何? プロットのフレームワーク(3)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792440250949804

第4回
61 「ヒーローズ・ジャーニー」って何? プロットのフレームワーク(4)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792440448213899

第5回
62 「黄金比プロット(The Golden Circle)」って何? プロットのフレームワーク(5)
https://kakuyomu.jp/users/Tuyuri_N/news/16818792440550881769


📚️<前に扱った「ヒーローズ・ジャーニー」にも近い概念。異世界ファンタジーが捗る!?
    最後に具体的な物語例つき!



Q.他にもプロットのフレームワークってあったら教えて。



✨️.それでは、「クエスト・プロット(Quest Plot)」についてご説明いたします。


クエスト・プロット【Quest Plot,The Quest】

主人公が特定の目的(宝物、人物、知識など)を求めて旅に出る物語の構成です。


◉プロットの定番フレーム

誘い:
旅の始まりとなる目的が提示される。

旅:
旅の途中で様々な困難や敵に遭遇する。

到達:
最終的に目的を達成するか、あるいは達成しない。


このプロットは、冒険物語やファンタジーによく用いられます。

クエスト・プロットの名の通り、主人公が特定の目的(クエスト)を達成するために旅に出る物語の基本的な構造です。

これは、古今東西の神話、伝説、民話から現代のファンタジー、SF、冒険小説、ロールプレイングゲーム(RPG)に至るまで、極めて普遍的に見られるプロットパターンです。

「ヒーローズ・ジャーニー」と重なる部分も多いですが、クエスト・プロットは「特定の目標達成への旅」という外部的な目的に焦点を当て、よりシンプルで直接的な構造を持ちます。




Q.もうちょっと掘り下げられる?


✨️.承知いたしました。より詳しく掘り下げてご説明いたします。


◉クエスト・プロット【The Quest】の詳細と応用

クエスト・プロットは、クリストファー・ブッカー(Christopher Booker)が提唱した「7つの基本プロット」の一つとして知られる、物語の古典的な原型です。

主人公が特定の目標に向かって旅をする中で、障害を乗り越え、個人的な成長や自己発見を遂げる構造を指します。

神話や叙事詩、小説、映画など、数えきれないほどの作品の基盤となっており、「犠牲」、「忍耐」、そして「旅そのものの価値」といったテーマが深く探求されます。


◉主要な共通要素と段階

クエスト・プロットは、ジョゼフ・キャンベルの「ヒーローズ・ジャーニー」と多くの要素を共有します。

ですが、ブッカーの理論では主に以下の5つの段階と、それに付随する多数の要素で構成されます。



1. 誘い【The Call】

主人公が家を離れ、現在の世界よりもはるかに大きな目的や使命を追求するきっかけとなる瞬間です。

これは、彼らの生活様式が脅かされたり、外部からの使者や劇的な出来事によって冒険に誘われたりすることもあります。

クエストの英雄:
物語の中心には、クエストに挑む主人公、またはグループがいます。
彼らはしばしば義務感、運命、あるいは道徳的義務感によって選ばれたり、突き動かされたりします。

冒険への誘い:
英雄が日常の世界を離れ、クエストに乗り出すように促されます。



2. 旅【The Journey】

英雄は明確な目標を求めて旅立ち、この旅こそが物語の大部分を占めます。
この道程では、様々な試練、障害、誘惑に直面します。

貴重な目的物または目的地: クエストの目標は、価値ある物(聖遺物)、人物(誘拐された個人)、秘密の場所(隠された土地)であることが多いです。

仲間たち: 英雄はしばしばクエストを助ける仲間を伴います。彼らは支援、知恵、おどけ役、時には対立をもたらします。


忠実な親友:
英雄に忠実だが、他にあまり長所がない。

正反対の相棒:
精神的、肉体的、感情的に英雄と真逆。

名もなき群衆:
重要ではない、すぐに死んでしまう人々。

バランスの取れた仲間:
知性、心、力のバランスが取れており、英雄を支える。

ガイドまたは師匠:
訓練、助言、魔法の支援を提供する人物。
クエスト完了前に死亡するか、英雄の元を去ることが多いです。

試練と試験:
旅の間、英雄は強さ、性格、決意が試されるテストに直面します(しばしば3つ一組で現れる)。

誘惑:
英雄やその仲間は、道を踏み外させたり、破滅させたりするような誘惑に直面することがあります。

境界の守護者:
重要な局面で、クエストを完了するに値するかを試す「守護者」と対峙することがあります。

ドラゴンの隠れ家:
英雄はしばしば危険な場所、時には敵の本拠地に入り、目的物を手に入れなければなりません。



3. 到着と挫折【Arrival and Frustration】

英雄は目標に近づきますが、すぐにクエストを完了できるわけではありません。
最後の大きな障害や、予想外の展開によって、目的達成が妨げられる段階です。


最終的な試練への接近:
英雄は目標の場所に到達しますが、直ちにそれを手に入れることはできません。
最後の大きな課題が提示されます。

最終的な試練:
旅の終わり近くには、主要な敵との最終対決や、クエストの究極の課題が待ち受けます。
しばしば3つの段階で現れ、主人公だけが達成できることが多いです。

飛行:
目標を達成した後、英雄はしばしば敵の追撃を受けながら故郷に戻らなければなりません。



4. 最終試練【The Final Ordeals】
英雄にとっての最後の試験であり、しばしば主要な敵との最終対決が含まれます。
主人公だけがこの最終テストを完了できることが多いです。



5. 目標達成【The Goal】

英雄はクエストを完了し、報酬を得ます。
この報酬は物理的なものだけでなく、英雄自身の内面の変容という「真の目標」であることが多いです。

帰還:
英雄は日常の世界に戻りますが、旅によって変容しています。
社会に恩恵をもたらすこともあります。

再生:
クエストの成功は、しばしば正当な秩序の回復、傷ついた土地の癒し、あるいは英雄が王位や結婚という報酬を得る結果につながります。




◉インスピレーションの源となる物語例

このプロットは、ファンタジーや冒険のジャンルでの活用が特に顕著です。


『オデュッセイア』:
オデュッセウスの故郷イタカ(イタケー)への長く危険な旅。

『指輪物語』:
フロド・バギンズが「一つの指輪」を破壊するためのクエスト。

『ハリー・ポッター』シリーズ:
賢者の石探しや分霊箱探しなど、ハリーたちの冒険。

『インディ・ジョーンズ』シリーズ:
インディ・ジョーンズが古代の強力なアーティファクトを探索。

『不思議の国のアリス』:
アリスが不思議な世界を旅する自己発見の物語。

『白鯨』:
エイハブ船長が宿敵の白鯨モビー・ディックへの復讐を追求する危険な航海。

『モンテ・クリスト伯』:
不当に投獄されたエドモン・ダンテスが裏切り者への復讐を果たす旅。



◉まとめ

クエスト・プロットは、単に目的地に到達する物語ではなく、旅の過程で主人公が直面する困難、仲間との絆、そして内面の成長が深く描かれることにその真髄があります。

目標達成だけでなく、その過程で得られる精神的な報酬が、物語に深みと普遍性をもたらします。


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ということで、今回紹介した「The Quest」。
これは実際に冒険小説やファンタジー小説のエッセンスが含まれているものです。

「7 Types of Stories(7つの基本プロット)」と呼ばれるもののひとつで、出自こそ海外ですが、実際に文学の古典的名作の構造を分析し、フレームワークにしたものになります。

なので、これまで紹介したものの中でもっとも「小説のニオイ」を感じ取れるフレームワークかもしれません。

使えるかもというか、もしかしたら実際に「あのWeb小説のことかな?」と、実際に作品が浮かんだひともいるかもしれません。


私でいえば、

>忠実な親友:
>英雄に忠実だが、他にあまり長所がない。

>名もなき群衆:
>重要ではない、すぐに死んでしまう人々。

>バランスの取れた仲間:
>知性、心、力のバランスが取れており、英雄を支える。


このあたりで、すごくハリー・ポッターをおもいだした。

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