コンテスト最終日に第3章ラストの話を投稿した後、二か月以上も空いてしまいましたが、やっとこ第4章に入りました。相変わらずの遅筆ですみませんm(_ _)m五月後半の怒涛のスピードは、単に「火事場のナントカ」だったみたいです(T_T)
お仕事コン開催中は、拙作にたくさんの応援をありがとうございました。身に余る幸せに今も打ち震えておりますm(_ _)m
いただいたレビューやコメントは、大きな励みになるばかりでなく、私にたくさんのことを教えてくれました。書いている時は、ちょっとでも笑いをとれたら万々歳、とか、拙作で扱っている業界に興味を持ってもらえたら嬉しいなあ、などとのんきなことを思っていたのですが、読んでくださった方からいただいたコメントの多くは、「主人公を応援したい」というものでした。自分の作ったキャラクターに温かい親近感を寄せてくださったことに、大変感激し、ひとつひとつの優しいコメントが本当に心に染みました。
そして、とあるユーザーさんからいただいた言葉でもあるのですが、「読み手の夢」という視点を、初めて意識することになりました。
「読み手の夢」とは、いわゆる「読者のニーズ」という意味ではありません。「不特定多数の読者の求めているところ(=ウケ)」ではなく、ひとつの物語を読んだ個人がその物語(もしくは物語の主人公)に期待するもの、ということです。
拙作「ちっちゃいけど…」を書き始めた時は、先に書いた通り、「笑えるか」「業界に興味を持ってもらえるか」ということを主に意識していたため、ラストは「笑いを取って終わり」という淡泊なものになる予定でした。しかし、拙作を読んでくださった方が「ちっちゃい主人公」に心を寄せて下さり、いつか彼女の夢が叶うことを一緒に願ってくださっている、ということを知り、望外の幸せに浸る一方で、今までそのような「読み手の夢」という視点がないまま書いてきてしまったことに気付いて、愕然としてしまいました。
主人公の本当の夢は、パイロットとして空を飛ぶこと。そして、彼女の現実的な夢が「飛行機の見える職場で働くこと」です。一度は諦め、回り道をして、最後にやっとパイロットになるチャンスを掴む、というのが、「読み手の夢」に応える一つのストーリーなのかもしれません。
しかし、拙作が「現代ドラマ」のジャンルである以上、その展開は絶対に有り得ません(あっ、自らネタバレ…)。物語の舞台となっている業界の航空身体検査の合格基準を無視すれば、話がご都合主義の非現実的ドラマになってしまうからです。
では、ラストで「飛行機の見える職場に転勤する」という展開にすべきか。主人公が好きな「ブルーインパルス」は宮城県の松島基地(東松島市)をベースとしているので、そこに転属するというラストがベストなのか……。
実は、当初はこの案もありませんでした。主人公の持つ「特性」が何気に仕事に活かされていく様を滑稽に描くことしか、考えていなかったからです。私が松島基地に行ったことがないというのも大きな理由ですが……。だって、趣味で書いてるアマチュアが大それた取材なんてできないしm(_ _)mブツブツ……
しかし、「読み手の夢」という視点を得たからには、このような「逃げ」の姿勢ではいかんと思うようになりました。
自分の書ける方向にストーリーを曲げるのではなく、書きたいストーリーが書けるように思いつく限りの方法を尽くす、という方向でいきたい。せめてラストをキメる展開を全力で追求したい。取材は出来なくても、書き方を工夫することはできるはず。私にとっては、少々高すぎる目標ではありますが……。
逆に、もしも「夢が叶わない」というラストを選ぶなら、単に「主人公が夢を諦めた」のではなく、「新しい目標なり夢に出会った」という展開が必要だと感じております。今の仕事を通じて、「飛行機が見える職場で働く」というこれまでの夢を越える大きな何かに出会ってこそ、主人公は納得して新しい夢を選び取ることができる。そして、当初の「読み手の夢」は叶えられずとも、新しい夢を提示することで、読んでくださる方々に納得していただけるラストにすることができるのではないか、と一人思案しております(えっ甘い…?^^;;;)。
……というようなことを悶々と考えているうちに、二か月経ってしまい、最近になってようやく第4章以降のプロットがまとまってきたところです。本当に遅筆なので、お仕事コンの結果が出た後も、一人で細々と書いているような気がしてならないのですが、もしもよろしかったら、今後ともどうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m