本日、私の住む地域では雪が降っています。十一月に雪を見るのは初めてです。なにしろ、七、八センチの積雪で交通機関が壊滅状態に陥るような地域なので。
私にとっては「有り得ないほど早すぎる」雪を見て、ふと「季節感は地域によってものすごく違うだろう」と気が付きました。私は、普段の気象環境で暮らしていれば、「あ、初雪……?」という会話から一月中旬を思い浮かべます。でも、北海道に住んでいる方々は、十月くらいを連想するのではないかと思います。
お話を書いている人間には「ごく自然」な描写のはずが、地域によっては「的外れ」な場面になっている。そんな可能性もあるかもしれない。
例えば、拙作「縁結び神の独り言」で、「中学校の卒業式で、神様が『早すぎる桜の花びら』をそよ風に舞わせる」という場面を書いたのですが、南のほうでは三月中旬には桜が満開かもしれないし、北のほうでは桜は四月ですら咲く気配がないのかもしれない。どちらにお住まいの方にも、「卒業式=桜にはもう少し間がある時期」という発想はないだろうなあ…。
となると、日本各地で通用する普遍的なお話を書くには、「季節感」は入れないほうが良いのでは、という気もしてくるわけですが、それはそれでサミシイような感じも…。
皆さま、そのあたりはどうなさっていらっしゃるんだろう…。