昔からというわけではなく、イギリスに来てからみるみる体が弱くなっているんです。昨日おばあさんの家で体重計に乗ったら五ヶ月前より2キロ減っていました。それでもBMI的には健康範囲内で、血圧も低いけど標準範囲。血液検査だって異常なしなのにちょくちょく気分を悪くします。多分神経が敏感すぎるのだと思います。昔から感受性が強すぎて、背後の人の怒りの気配を感じて背筋が固まったり、目の前の人間が不快感を覚えているのを雰囲気から察して申し訳なくなったりとガンダムのNTみたいにめちゃくちゃ他人の感情に圧倒される時があります。でもこれにもいいところがあって、下心を持って近づいてくる人を見抜いて距離を置いたり、心根が優しい人の雰囲気に呑まれて自分も癒されたりといい人と怖い人を見抜く勘の良さに一役買っていました。神経が過敏すぎるのもあるけれど、常に体が緊張しっぱなしで適切に力を抜くことができないのだと思います。まるでプレートの負荷のように、ひしひしと限界が迫ってきてある時胸が痛くなったり、熱を出したり、そのほか様々な身体的異変が現れだして崩壊するのです。4月までは頻繁に膀胱炎になっててしんどかったです。最近は皮膚の下に膿が溜まって痛みを伴った腫れができたりと比較的軽いものになりましたが。とにかくストレスを溜めやすいのです。ある時、そんな日々に嫌気がさしてASMRという手段に出ました。単純な耳かきASMRでしたが、リラックスできるので寝ながら聞こうと思いました。ヘッドフォンをつけてベッドに入ります。そして目を閉じました。夢は何も見ませんでした。しかし、朝起きるとあり得ないくらい体がだるくて、重い疲労感に襲われていました。まるで熱を出したかのようです。体温計は持っていなかったのですが、本当に熱が出ていたと思います。授業は解熱剤を飲んでなんとか切り抜けましたが、帰るとまた熱が上がってきました。しっかり夜ご飯を食べて眠ると次の日にはすっかり治っていました。リラックスしようと体験した音の刺激が、神経への負荷になっていたのかもしれません。それ以降ASMRは聞いていません。それでも本当に癒される瞬間はあります。毎週教会へ礼拝に行くのですが、そこで神父さまや代母さんの母親、おばあさんが私を抱きしめてくれます。私はその瞬間いつも心の底から落ち着けるのです。いつも緊張していた体が、暖かさで溶け出すように、ふわりと心が軽くなります。心根が優しい人の触れ方は他意がないので不思議と怖くないのです。家族とは離れているから母親の体温は感じられないけれど、教会の優しい人たちが触れてくれて、私はなんとか限界ギリギリで耐えられています。やはり人との繋がりは大事だといつも思います。