この話すると統合失調症なのかと思われるのですが、そんなことはないです。
とはいっても病気なので、その状態で海外一人暮らしなどしてれば幻覚幻聴に襲われるのもあり得ると思います。
話が始まるのは2025年の5月、私は持病の心臓神経症に毎日悩まされていました。病院で心電図を測りましたが異常なし。日本にいた頃からこの症状は知っていて、主治医から頓服の薬をもらっていました。しかし英国の医者は頑なに薬をよこしてくれません。おかげで私は夕方になると始まる痛みで夜も眠れませんでした。限界が近づいてきたある日、寮に帰るとフラットメイトはみんな出かけている模様。自分の部屋に入り一息つくと、どこからともなく若い女性の声が聞こえてくるのでした。もにょもにょと何を言っているのかわかりません。声の方向もわかりません。なんだか空間全体から声が響いているかのような感覚がしました。不思議に思いながら声の正体を探そうと共用のキッチンルームまで歩きます。伽藍堂の部屋。それでも響き続ける声。なんだか少し怖いけれど少し親近感を覚えるような優しい声色だったのです。部屋に戻ってしばらくして声が止みました。その瞬間急に全身がだるくなって頭をぎゅっと締め付けられるような感覚がしました。すぐに休もうと寝台に横たわってしばらくじっとしていました。少し熱っぽいような感覚がした後、ゆっくりと体が楽になります。その日から毎日続く胸の痛みがすっかり止んでしまったのです。
エピソードはそれだけではありません。この幻聴からしばらくして六月になりました。ある時眠りから目を覚ます瞬間。誰もいないはずなのに唇に何かが重なる感覚がしました。息を吹き込まれるようでとても心地が良かったです。目は半分くらい開いていて目の前には誰もおらず、白い天井が見えるばかり。何か夢を見ていたのかもしれないですが、感覚が鮮明で。経験なんて一度もしたことないのに、これは口付けだとはっきりわかるような柔らかさと重みがありました。
まだまだ続きます。それからまた数日後の月曜日の目を覚ます瞬間、枕元から若い女性の声で「そのままでいい」という声が聞こえてきました。私はその時ちょうどこのままイギリスに残るべきか今年中に違う国に行くべきか迷っていたので、このタイミングでこの声が聞こえたのはとても不思議だと思っています。
これらの出来事を友達でロシア人のおばあさんに伝えると、それはきっと天使のせいだとおっしゃっていました。話し声は私を癒すために、キスの感覚は愛情表現。クリスチャンとして真っ当な意見だと思います。昔から限界を迎えそうになるといつも適切なタイミングで助けを得られたり、怪我も軽いもので済んだりしていたので、こうして直接感じられる形で現れてくれるのはありがたいなと思っています。また会えたら嬉しいです。