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真珠湾の冬

ハヤカワ・ミステリ
真珠湾の冬
ジェイムズ・ケストレル

あの時代の物語には惹かれるものがある。
本作は太平洋戦争の嚆矢、真珠湾攻撃前夜にオアフ島で起きた白人青年と日本人娘の惨殺事件で幕を開ける。
主人公はホノルル警察の刑事、ジョー・マグレディである。
魅力溢れる物語は是非ご一読を。

ジョーはハードボイルドものではお馴染みの頑固者だ。
自ら定めたなすべき事と、してはいけない事の一線を頑なに守ろうとする。
ご多分に漏れず、矜持を正し己れに誠実であろうとするがあまり、ジョーはゴタゴタに巻き込まれて窮地に陥る。
お約束である。
だが救いはある。
自分に嘘をつかず、大切に思う人々に嘘をつかなければ誠意は運命を切り開いてくれるのだ。
大甘と言われようが、小生は変に斜に構えた作品より、こうしたお話が大好きである。
複雑で長い物語だが、Netflix辺りで映像化されたら何度も見てしまいそうだ。

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