• 異世界ファンタジー

「ぐうたら剣姫行」299話、アリタのその後

第299話「有為転変」の解説と余談です。


一般人、何の力もない女性にすぎないアリタの、まさに波瀾万丈の人生が語られました。

「小説家になろう」様投稿時には「あれから四十年」だったものを「五十年」に修正してあります。その方がアリタも七十代となりより老婆らしくなることと、ぎりぎりで「帝都消滅」には引っかからないからです。

本当にものすごい人生でした。
初期プロットにはまったく存在せず、グライル編に突入してはじめて湧いてきたキャラだったのに、「吐息や仕草がやたらと色っぽい」というだけの個性持ちからまさかの生存組入り、後世から語る側になろうとは。
ランダルと結ばれるというのも、プロットには皆無の展開でした。ライネリオかアランバルリと結ばれてそのまま……という安易なことにはならないだろうなと漠然と考えて話を書いていくうちに、何となくそういうことになり、くっついて、カルナリアを心底から驚愕させることになりました。なおアリタ視点なので気づけていませんが、フィンもカルナリアと同じかそれ以上に仰天しています。フィンの方がランダルおよびその家族とのつきあいは長いので。

末尾近く、こっそり訪れてくれたカルナリアの話をするところで「女王陛下は深い悲しみを抱いている」ことに気づかせようかとも思ったのですが、生き延びたといってもどこまでも一般人のアリタにそれは無理だなと思い、気づかせないままにしておきました。結果的には良かったと思います。そもそもアリタは、カルナリアがフィンをどれほど慕っているか、それに到る命がけの経緯を全然知らないのですから、気づく方がおかしいのです。
なおその時のカルナリア、実年齢は五十代なのですがどう見ても二十代にしか見えない状態です。変装、偽装、演技の能力は年期が入ってベテラン女優クラスに達しているので余計にたちの悪い、正体不明の人物になっていました。

懸命に生きようとし続けて、幸運にも生き延びることのできた、最初で最後のアリタ視点の回を経て――いよいよ最終話です。

ここまで読み続けてきてくださったみなさま、本当にありがとうございました。

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