• 異世界ファンタジー

「月華の舞」投稿終了

ぐうたら剣姫行after01、「月華の舞」を全話投稿し終えました。

元は「小説家になろう」様でクリスマス投稿した作品でした。こちらには桜のシーズンと共に、ということでお受け取りください。

「剣姫行」最終話で人の世から離れて旅立った二人が、あちこち、色々旅して、ふとカラント王国に戻ってきた時のエピソードです。

時が流れ色々変わり、「剣姫行」では「カラント王国は43の『領』に分かれている」と説明されていたのが「55の『県』」になっています。第二章の舞台だったタランドン領も分割されてしまって……栄枯盛衰、諸行無常。
王都も……カルナリアは「ここを復興させるのは現実的ではない」と荒廃した旧都を放棄し、少し東に新しく都を築きそこで大人になり愛おしい者たちとの時間を過ごしたので思い出に浸りつつ生涯をそこで過ごしたのですが……後を継いだ王は、「何か業績を」と考えた結果、元々地の利があり五十年以上を経てもう荒廃した地ではなくなっていた元の場所に玉座を移動させました。何もかも変わっていくのです。

そして街をあげてのダンスパーティー、月華祭。
創始者で、好きなものでもあるのでもちろんジランファのやり方を知っていたカルナリアは、したいと望むことをなんでもさせてくれる甘々な「ご主人さま」が唯一してくれない「一緒に」何かすることを望み、これくらい経ったのだからもういいだろうと――実際はかなり焦って、『女帝』らしくもなく杜撰な見込みで無理矢理フィンを引っ張ってきました。

「剣姫行」でのカルナリア(第二段階)は、誰かを治癒すると相手を魅了してしまう厄介なヒール能力持ちでしたが、その後に何年もじっくり勉強する時間を経て、治癒部分と精神操作部分とを分けて行使することができるようになっています。その能力があるのでけっこう強引に行動しました。

こういう催しというものは、その準備段階からもう参加しているしそこが楽しいのだということを教えるために、衣装選びにあえて街の店を選んで押しかけて大迷惑に。めんどくさいからこれでいい、と動きやすいものを安直に選んでしまうフィンに様々な衣装を着せ髪型や装身具をそろえる経験をさせる機会を経て、めちゃくちゃ盛り上がりました。フィンが逃げてしまうので控えましたが、本気なら一週間以上色々試着させ考えこみ選び続けるぐらいのことはやりたがっていました。

その上で月華祭に参加。ダンスの動きをできることは間違いないのだけどその知識がないフィンに教えるために「全力で」教師役を探し、ジールを見つけました。幸運な出会いでした。
ジールが勉強に関してはアホ(事実)で助かりました。真面目に授業を受けていたら、すぐ「あれ? 歴史の教科書のカルナリア女王とそっくりだ!」と気づいていたでしょう。もっとも本人と思うことはさすがにないでしょうが。現代の我々が幕末の坂本竜馬とか土方歳三(写真が残っている)にそっくりな人を目の前にしても「すごく似てる!」とは思うけど「本人だ!」とは思わないのと同じです。

そしてフィンに教えるためにひととおり踊って、ついに呼び寄せて、参加。
カルナリアの人生で屈指の感動のひとときとなりました。そのあまりに色々周囲にまき散らしてしまいました。ジール視点なので気づけていませんが、周囲では美しすぎる二人の姿に何人も失神者が出ています。
またはっちゃけすぎて色々やらかしてもいます。「わたくしたちのことを知る人はもういないでしょう」どころか、カランティス・ファーラそのものを見知っている人がいましたし、ジールの父親がそもそも「女帝」直々に見出された人でしたし……フィンと踊りたい欲望が先走りすぎてミスしまくっています元女帝。

なので強引に、街全体に精神操作魔法を施して、逃げるように立ち去ることに。

なおその「あとしまつ」は案の定、穴だらけで、何かが起きたぞ普通じゃないやつが何かやったぞと勘づいた連中が追跡を始めることになります。その辺りは描く機会がありましたらまたどこかで。

ともあれ、後日談たる本作をお読みくださいまして、本当にありがとうございました!

これからも時々、こういう形で、思いついたエピソードを投稿してゆくことになるでしょう。
そちらもよろしくお願いいたします。




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