第270話「反逆の真相」を投稿いたしました。
東の超大国ルーマンゴール。
突然出てきたその国こそが、ガルディスとレイマールがカラント王国を大改革しようと決意するに到った原因でした。
名前が出てきたのは270話ですが、この物語を構想した際に根本設定として決めていたことです。
初期の、発熱サイコロの時。第17話。「王女の自分が知らない。つまり、この国の魔法技術ではない。異国のもの。まだ伝わってきていない、きわめて高度なもの!」
東にはカラントよりも技術レベルの高い国がある、ということはもう決めてあったのです。
その東の超大国「ルーマおよびゴール連合王朝」は、安直ですが「ローマ+モンゴル」です。この作中世界で最大最強の国家。秩序、統制、技術、歩兵のルーマと剽悍、勇猛、騎馬のゴール。それが結びついて誕生した強大な国に、世界征服の覇気と能力に満ちあふれたアレクサンダー大王が登場寸前という状況です。
ガルディスたちは、「チンギス=カンという者が建てたモンゴルという国が勢力を伸ばしているそうだ」と耳にして調べさせた西暦1220年頃のフランス王子、というような立ち位置でした。
その約20年後、実際にモンゴルがヨーロッパへの大遠征を開始してものすごいことになりました。
そのようなことが起こりそうだ、このままでは確実にやつらが来ると気づいてしまった優秀な兄弟がいたがゆえの、カラントを襲った悲劇。
ガルディスたちが鋼の意志で突き進んだのも、この国の未来を守るためという大きな目標を持っていたためでした。
レイマールの「裏切り」も、「このパワーアップした私ならば無理に貴族層を消さなくても上手く使いこなしてガルディスよりも早く強い国を作れるぞ!」と確信してしまったがゆえのものです。彼は彼で祖国のためにという目的意識はしっかり持っていました。
もちろん周囲の人々を殺され必死に逃げ惑い、レイマールにも散々な目に遭わされたカルナリアにとっては、そんなこと知ったこっちゃありませんが。
そういう情報は、ただ逃げるだけのカルナリアには何の関係もありませんでしたが、カラント女王となったカルナリアはこれからは国際情勢にも目を向けなければなりません。
この先、このルーマがカルナリアの運命を大きく動かすこととなります。