カルナリアが神の世界に赴き、待ち受けていたフィンから色々なことを教えられました。
カルナリアの自爆もあって、ほぼ最初から王女とばれていました。
なのでここに到るまでの、「ばれたらどうしよう、どう扱われてしまうだろう」と散々気を揉んでいたことがすべて茶番というか何というか……可哀想なことに。
まあ、そうとわかっていたのにああいう扱いをして「これは、王女と見抜かれていますね」という確信を与えなかったぐうたら者にも多大な責任があるのですが。ちょっとでも言ってやるだけで違ったのに。「はじめてのかいもの」回など、ああ王女というのは庶民の金銭感覚を持っていないんだなあと面白く見ていたのにそれをまったく伝えないから、カルナリアが必死で考え、挑み、大汗かいたあのざまに。カルナリアにはお尻ぺんぺんする資格は十分にあります。
そして新たに判明した様々なこと。
フィン側の視点、心情……実は、カルナリアがフィンのことを信頼できる保護者から唯一の守護者、唯一無二の相手と気持ちを進めてゆくより先に、フィンがベタ惚れ状態に落ちていました。劇的な何かによって恋に落ちるのではなく、しばらく一緒にいて「あ、このひと、いい」となるのは本当に根深いです。それで好きになるとなかなかくつがえせません。
しかも、この怪人にとっての初恋だったりします。だけどこのぐうたら者、対人スキルは最底辺。なのでどう振る舞っていいかわからず、甘やかし、もみほぐしなどのめちゃくちゃな行動になったのでした。ここまでのカルナリアには理解できないあれやこれやの謎行動は、好意の示し方がずれていたものだったのです。もっとがんばりましょう。
それから……これもカルナリアはまだ理解できていませんが、「神の世界に出入りできる」ということのとんでもなさ。その国唯一の存在たる国王が戴冠式の時のみに行える、とされてきたことを割と普通にやれています。カルナリアと出会う前の、冬に山の中でひとり過ごしていた時も恐らくちょくちょく出入りしていたのでしょう。それを知るだけで世界中の権力者が彼女を狙います。ぐうたら怪人はさらに身を隠し引きこもりに。
もっとも本人が神の世界の住人というわけではないので、神の力を借りるにはやはり相応の制約があり、グンダルフォルムを倒すためにザグルの力を借りた今回はかなりの負い目を課せられた状態。しばらくはザグルに頭が上がらなくなっています。
なお死神ザグルと言いますが、「死」という現象を司る神であって、死者を司るわけではありません。死者の魂はそれぞれの信仰する神の扱いとなり、カルナリアが経験した通りカラント王国の民の魂は信奉する風神ナオラルが取り扱っていました。その導きによって、忠臣の彼がついに本当に退場です。その思いを背負って未来へ進めカルナリア……でも新しい「目」に混乱しているぞ。がんばれ。
そんなこんなで、ついにぐうたら怪人の真の姿を知った……と思ったカルナリアでしたが、まだまだこの人物には謎が残り、隠していることもたっぷりと。それらがこれから色々と出てきます。お楽しみに。