• 異世界ファンタジー

「ぐうたら剣姫行」254話とフィンの持ち物

254話「再会」についての追記です。

フィン・シャンドレンが、254話において、この物語で初めて、もしかすると最後になるかもしれない、きちんと髪を整えた姿で現れました。カルナリアの晴れ舞台なのでがんばったのです。つけていた髪飾りは自前のもの。この人物の持ち物なのでやっぱりとんでもない魔法具だったりします。

……そういえばフィンのチート道具の数々について設定は作ってあったのですが、カルナリアに教えるシーンがなかったので説明なしのままになってしまったものもいくつか。
認識阻害魔法と透過魔法のかかったぼろ布。発熱サイコロ。蜜生成の筒。麻痺の指輪。『流星』。体の力を強くするもの。照明の発光板。途中入手の犬鼻。
それ以外の、これまで出てきたものだと――

「風を起こす箱」。テント内で空気を循環させたり温風を出して体を乾かしたりする、空気清浄機のような便利な日常道具とカルナリアは理解していましたが、実は「望む通りの気体を噴き出すことのできる風神の神具」だったりします……きれいな風はもちろん、その逆つまり毒ガスを出すことも可能です。高いところから大量の一酸化炭素を放出させれば……魔法のモヤと違って放たれた気体は魔導師でも感知できませんから……あるいはもっとえげつない色々なガスも……。

「手鏡」。何度かカルナリアが自分のひどい顔を見せられた、何の変哲もない持ち手のついた小さな鏡ですが、実はぶっちゃけ「フエルミラー(byドラえもん)」。鏡面の上に置いたものを複製し、ひっくり返すとそれが出てきます。金貨を一枚置くと二枚に。薬草を置くと倍に。食べ物も。ただし生物は複製できません。フィンがあまりお金やものに執着していなかったのはこれを持っているからという理由もあったりします。
そしてこの道具のチートぶりは、「一度複製させておけば、以後はそれに変成させて出すこともできる」という点にあります。一度金を複製しておけばそれを記憶して、銅貨を乗せて同じ形の金貨を出すことが可能になります。万能治療薬を記憶させれば水の容器を置いて万能治療薬入りのものを出すことも。似たものの方が変成させやすいのですが不可能というわけでもありません。
フィンがグンダルフォルムの魔石を探していたのはこれを使って増やす狙いもありました。そしてもちろん、『王の冠』も複製済みだったりします……カルナリアがそれを知る日が来るのかどうかはわかりませんが。

フィンが貴族や魔導師と関わるのをいやがるのは、こうしたとんでもないものについて知られ、狙われ、求められるようになるのがめんどくさいからでもあります。ゲームクリア状態のアイテム満載キャラがゲーム初期の地域を歩き回っているようなものですからね。歩く宝物庫。そりゃ身を隠し逃げ回ります。

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