• 異世界ファンタジー

「ぐうたら剣姫行」最終章・・・のはずが

第238話「フィン・シャンドレン」ならびに239話「ザグレス」投稿いたしました。

ついにあらわになったフィンの素顔。
ついに見せた真の力。
出会いから200話以上かけて、ようやくカルナリアは自分の保護者なのに正体不明のぼろ布の中身を知ることができました。
……以前に見ていた相手だった、ということの謎解きはこれからですが。

その「これから」の話。


最初に作ったプロットでは、「国境の山脈に逃げこんだカルナリアとフィンをセルイたちが追ってくる。逃げるうちに山脈に住まう原住民たちに捕らえられてしまう。そこにもセルイたちは追いすがってきて争いになり、原住民たちは片づけられついにカルナリアが捕らえられそうになったところへ別な一団が現れる。第二王子とその部下たちだった」という展開で、セルイとレイマールが最初から手を組んでいたのはその通り、しかしレイマールは『王の冠』がもたらされたことを知りこれがあれば自分の勝利は間違いなしそうなると自分がガルディスとつながっていたことを知られるのはまずいとセルイを処分しようとし、それで殺し合いになり血をかぎつけて山脈のヌシ襲来、人間では歯が立たず、岩穴に隠れたカルナリアたちだったがヌシに見つかり絶体絶命というところでフィンが素顔をさらし本気を出して退治という流れでした。

しかし前にも書いた通り、人跡未踏の大山脈にしてはあっさり奥へ逃げこめすぎる、この展開と設定なら越える道もとっくに知られてるはず、などなど色々考え、「下界の介入を嫌う案内人たち」設定を導入したりグライルの過酷さをマシマシにしていって、現状のグライル編になってゆきました。

それでも一応当初の構想はそのままで、「山中にある砦」が決戦の地、そこが舞台になる「第八日」が始まったら第四部『王の冠』編という予定で書き進めました。
実際にその通りの展開にできて、フィンが食い下がったりカルナリアも色々やったりで伸びはしたものの、プロット通りに山脈のヌシの襲来が発生し、当初の構想以上のとんでもないやり方になりましたが、何とかフィンが顔を見せつつ退治する流れになってくれました。

これにて一件落着、憂いはすべてなくなって、これまでのことの謎解きを行い、女王となるべくカルナリアが帰国する最終章すなわち事実上のエピローグを残すのみ……あと10話ぐらい、250話できりよく終われるかな……

……と、思っていたのですが……。


まず、「これまでの謎解き」が、タランドン編が湧いて出てきたこともあって、説明すべきことがかなりの分量になって。
グンダルフォルムも、当初の「大ヘビ」というだけから人類が手を出せない最強最悪の魔獣というものになったので、巨大さから何からとんでもなくスケールアップして、退治したさあみんなで解体だと簡単にすませるわけにはいかなくなって。
カルナリアが「自分が王になる」と決意したからといっても、すぐ「なれました万歳! めでたしめでたし」となるわけもなく。
そして何よりフィンとの関係がどうなるか。当初の構想では、女王となったカルナリア、面倒事をいやがって表には出ずどこかでぐうたらしているけれども必要な時にはちゃんと女王を助けてくれるフィンという形で終結する予定でしたが、ここまでの無数の積み重ねやお互いの事情、意志、感情、それ以上のものなどを、そんな程度の後日談ですませていいはずもなく……長兄ガルディスとの決着も残っていますし。

とまあ、ここから展開される事後処理、真相の披露、カルナリアが本当の王になるための道のりもまた、書いてゆくととにかく長く長くなってゆく一方で。
後日談どころか、第五章と分けてもいいほどの量になってしまいました。

ですので、人間も魔獣も最強の相手はいなくなりましたが、この後もまだまだ物語は続いてゆきます。

ここからは第五章、「剣士と女王」編です。

ついに素顔と実力を知ることはできたものの、まだまだ謎だらけの美形剣士と、王へと到る苦難の道を歩み始めたお姫さま。二人はこれまでのようにいられるのでしょうか。「剣士と姫君の道行き」はどうなるのか。巨蛇の後始末とこれまでの種明かしを経て、二人の関係は。

もうしばらく続くこの物語に、どうかおつきあいくださいませ。

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