第235話「弾け花」を投稿いたしました。
足に装着するとまばゆく輝き、装着者にものすごいジャンプ力を与えてくれる魔法の道具『流星』。
久しぶりの登場です。
しかし飛行能力を与えてくれるものではなく、飛び逃れたレイマールは引っぱたかれ、打ち上げられて、どうすることもできずに落下してきました。ちなみに落ちてくるまでの間にグンダルフォルムは騎士ディオンと「遊んで」いますが、その時間を1分とすると、レイマールは4000メートルほど打ち上げられた計算になります。もし2分なら18000メートル。レイマールは宇宙を目にしてきたかもしれません。
さて、これまで登場した『流星』は、フィンが持っていたもの、追ってきた7忍のもの、タランドン家所有のもの(62話)の、9個です。(レイマールのものはここでは除きます)
その行く末と、今話でゴーチェの分がないとなったことについての解説です。
タランドン家のものは返却(67話)。
7忍のもののうち、3つが失われてフィンのものに(97話)。
フィンは『台(うてな)』にふたつ返却(97話)。ちゃっかり1個ふところに入れています。
したがって、フィンは自前の赤いものと緑のものひとつ。セルイたちは4つ保有していたということになります。
最初に今話を書いた時は、カルナリアがつけていたものは不良少年たちに奪われていたというのを忘れていて「フィンと一緒に飛んだ時以来久しぶり、ずっと持ち続けていたのだろう」と書いてしまい、前を読み直してそれに気づいて慌てて修正しました。
その際、念のため全体の数と所在をチェックしたおかげで、ゴーチェの分がない、取り残されるという状況からカルナリアのとっさの選択、フィンとの同行と、いい展開にできて我ながら喜んだものです。
元々のプロットには『流星』が存在していませんでした。逃亡編を書いている途中で「普通にカルナリアを連れて山を越えるだけだとすぐ追いつかれるよな」と、ほとんどその場で湧いてきた設定および魔法具です。
したがってこの235話も、当初の展開は、穴に隠れた面々がグンダルフォルムに見つかりさあどうするというだけのものでした。穴の中でおびえる生存者たち、それを見据えて突撃体勢のグンダル君という大ピンチ。そこへあの人物が――色々ふくらんでいったこの物語でも最初期から決まっていたクライマックスシーンです。
その通りに書いていたのですが……途中で「あれ、『流星』は?」と気がついて、これも慌てて今話以降の飛び逃れる展開に修正したものです。書いてすぐ投稿するパターンだったらかなりまずいことになっていました。いくらグンダルフォルムに見つかって恐怖に麻痺していても、こんな便利かつ生き延びられそうな道具を持っていて使わないのは不自然ですからね。そして投稿した後で読者の方からその指摘を受けてしまっていたら、立ち直れないところでした。
書きためしておくのは、こういう致命的なミスに気づいたり修正したりできる可能性が高まるので、おすすめです。