第223話「粛清劇」を投稿いたしました。
レイマールの指示で突然始まった殺戮。しかも山賊たちと同時にセルイ一行も攻撃されました。
なぜかはまったく理解できないまま、カルナリアはとにかく救える相手を救おう自分にできることをしようとファラに飛びつきます。
……彼女視点なので、周囲で起きていることを見てはいますが理解できていないことがいくつかありますし、理解する機会もありませんのでこちらで解説。
ガザード。
山賊の首領たる彼は投擲の名手です。槍でも剣でも、棒状のものなら何でも凄まじい威力と命中率で投げつけてきます。しかも牽制のうまいピッチャーのように、事前に察知させることなく最小の予備動作で一瞬で。山賊たちの頭を張っているだけのことはある実力者です。今回のような乱戦で敵側にいるときわめて厄介です。そして対峙したグレンが言う「先代の」3……まあそういうことです。
トニア。
使う武器こそ違いますがレンカと同じような構えをしています。どういうことか。これは次回。
セルイ。
126話で提示された「なぜフィンの素顔を見ているのに平気なのか」という謎がここで解明。心から愛する相手がいれば、美しさに感心はするものの魅了されることはないのです。カルナリアは知りませんが「騎士の中の騎士」テランス・コロンブも同じくフィンの素顔を見ているのに恋に落ちてはいません(第93話「ざんげ」の手記)。
ファラ。
カルナリアはこれまでに何度か、彼女がきわめて俊敏に動くところを見ており(127話、144話、191話など)、直接戦闘もかなりできるのではないかと推測していました(143話)が、その答えが示されています。女騎士ベレニスは、過酷なグライル越えにレイマールが同行させるだけあってかなりの実力者です。その攻撃を防ぎ、逆襲までしています。モンリークたちに絡まれてブチ切れたあの時も、「真っ当に」切れて暴れていれば、武人ではない貴族三人ともぶちのめすぐらいのことはやれました。その方向で暴れていれば、フィンに激怒され徹底マークされることもなかったのですが……そこは世の中の、うまくいかないものというやつです。
フィン。
この回では出てきませんが、その前からもう露骨にレイマールを嫌ってその即位も冷ややかにしか見ていません。今話の惨劇に際しても、カルナリアと案内人たちに攻撃する者がいないかどうかしか気にしていません。他の者たちがどうなろうとそれはそれ、というスタンス。ベレニスがカルナリアに手をかけはしましたが、傷つけてはいないのでセーフ。任務としてやったことでもあるのでまだ怒りを向ける対象にはなっていません。
またこれも後で明らかになりますが、最強戦士たる騎士ディオンが一切粛清には参加せず「剣聖」を警戒し続けていますので、それもあってうかつに介入できないという要素もありました。