本年最後の、第163話「安らぎのひととき」を投稿いたしました。
難所が来たと先に知ったからこそフィンがあれこれ動いて、自分ができるだけ楽をできるようにしました。
その一環でカルナリアを抱きかかえて「たっぷり休ませた」……のですが。
やっぱり裏がありました。
フィンが知っているかどうかは謎ですが、カルナリアの場合、他の者たちと同じように横たわって眠りの魔法を施してもらっても、骨肉に魔法防御が施されている王族なので効きが弱い可能性がありました。
また、セルイたちが眠った後でカルナリアを招くという順番だったので、カルナリアを抱きかかえて動けなくなったフィンを狙った場合、無防備なセルイたちが攻撃されます。その辺りも配慮した上でカルナリアを招き、愛でていました。
ものすごく警戒して、その上でできる限りの甘やかしです。
もちろんカルナリアはまったく気づいていません。
そして安らぎきった後に、つやつやピカピカの潤い顔に。
元がいいのでそれはもうすごいことに。
正体を知っているファラやセルイはともかく、何も知らないゴーチェが魅了されるのは仕方ありません。自分が見とれた相手が本当は何者なのか、彼が知る時は果たして来るのでしょうか。
また一方で、出会ったばかりの頃の塩対応と比べてのフィンの行動の変化もすごいものです。最初はカルナリアが泣き叫んでいたから抱きかかえてあやしてくれましたが、今ではフィンの方からあやしてくれるように。
相変わらず肝心のカルナリア本人が気づいていないところがどうにもこうにもなのですが。
それではみなさま、来年もよろしくお願いいたします。