第159話「前進」を投稿いたしました。
不穏な入村、一泊、石人、血吸蟻、石人本隊、葬儀とまあ色々ありましたがようやく出発。
カルナリアも、心がやられてもおかしくなかったのですが、フィンがいてくれたので自分を保てました。というか危ういのではないかと思ったのでフィンが側についてくれたのです。
そして出発時の「なでなで」。
あれは、最大の脅威であるフィンを常に注意し警戒し敵視しているセルイたちの、虚を突いた動きでした。相手の呼吸を読み、外す、達人の技。わかる者にはこういうところでフィンの実力が伝わるのですが、もちろんカルナリアはまったく気づいていません。
そして突然なでなでしてきた理由は、昨日バウワウの柴犬風モフモフ頭を撫でたカルナリアが上機嫌になったところをしっかり見ていたので、「頭のなでなではいいことなのかじゃあ自分も頭を撫でてやろう」と狙っていたからです。やることもタイミングも大いに間違っている気しかしませんが。
カルナリアはようやく理解できてきましたが、この人物は対人関係のスキルは案外、というか想像以上(以下)にダメダメです。そしてそのことをセルイは知らないので、ここで自分たちの目の前でなでなでしてみせることにどのような狙いがあるのかと、ものすごく考えこんで胃を痛くしています。ただ何となくその場の気分で、という正解を知ったら、いつぞやのレンカたちのように殺意をみなぎらせることでしょう。
そしてネタバレ空白。
フィンがなぜアリタに近づくのか。
後で答え合わせ回をするつもりでしたが、まさかの277話、起こるべきことは起こり終えた後になるとは思ってもみませんでした。
また、ここまでは「すごい美女というわけでもなく特別な技能や身分もなにもないが、仕草や吐息やふとした声がやたらと色っぽい」という設定だけだったアリタが、この後色々なことに巻きこまれ、巻きこまれ…………作者にとっても本当に意外な形での終幕となりました。創作内の登場人物とはいえ、人生とは本当に不思議なものです。