【当該作品】とんこつTRINITY SEAFOOD!!!(第20話)
https://kakuyomu.jp/works/16817330668870675384/episodes/168180232125564880351作目「とんトリ」以来、「銃眼」という単語が出てきたので少々補足を。
添付写真左下の、横に並んでいる覗き穴が銃眼の一種です。
銃眼がある施設は側防窖室(そくぼうこうしつ)、またはカポニエールと呼びます。
撮影地は長崎県西海市の石原岳森林公園。
明治時代に造られた佐世保要塞(のち長崎要塞へ編入)の跡地を、そのまんま公園化したというなんとも豪胆な施設です。
100年以上前の建造とは思えぬ堅牢さで、一部はワインセラーとして利用されています。
日露戦争を警戒した日本軍が国防のために建造した要塞で、側防窖室はこの外周に2箇所。
要塞を攻略しにきた外敵をここから銃で迎撃するわけです。
とても反撃しにくい構造になっています。
写真右下が、側防窖室へと続く地下通路。
この公園は管理が割とゆるゆるで、コウモリ、ゲジゲジ、カマドウマ辺りが平気な人は、懐中電灯持参でいつでも銃眼からの景色を見られます。
わたしも一度、それらが出ない真冬の側防窖室へ入ったことがあるのですが、その際の写真データを紛失してしまって……。
かと言って撮り直しに行く勇気も……ですね。
結果として日露戦争では本土侵攻を受けることはなく、この要塞はほどなくお役御免となりますが、太平洋戦争末期、近くの横瀬浦港から敵の上陸部隊が進攻する可能性もあったので、その際に陸上陣地として機能したかもしれません。
横瀬浦港はキリシタン布教のために開かれた港で、この点でも「とんトリ」シリーズと縁があります。
またこの石原岳森林公園は、筆者のペンネームの由来であるカスミサンショウウオの生息域でもあり、個人的に思い入れが深い場所でもあります。