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沼蛇の魔女38:むしろここからお読みください

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沼蛇の魔女と石の巨人 第38話 リンデルの魔女(その1)

 今回から数話(3回ほどを予定)かけて、ヒロイン・魔女オーリィの過去話編。
 ノーデルの隣国リンデルで伯爵家の令嬢であったという彼女が、何ゆえ魔女になったのか?その辺のいきさつはずっと匂わせ匂わせで進めてきた本作ですが。
 ……いよいよ限界です。これ以上もったいぶるのは読者に不親切ですし、何より作者の私自身がもどかしさに耐えられない。ここで解放します。

 新章に突入するなりいきなり過去話という。構成としてあまりよろしくないな、と思っています。ストーリーの本筋が完全に途切れますから。ただ、逆にこのタイミングしかなさそう、というのも事実。ここは敢えて、悪手を恐れずに。
 鬼と出るか蛇と出るか。本作ならばどうせなら蛇が出て欲しいところ(苦笑)。

 さて今回、まずは「リンデル公国」という国とその歴史、ノーデル侯国との関係などをざっくり説明した後に。
 いよいよ、伯爵家令嬢時代のオーリィ、すなわちクロエが登場します。そして柔弱な兄アンリ、家督簒奪を狙う狡猾な叔父ギュスターヴと、叔父に肩入れする猫の悪魔。
 本作は「麗しき蛙売り」「オーリィと黄金の林檎」からなる蛙売りシリーズのスピンオフ、「全然違うんだけど、なんとなく似てる物語」。とくに今回から始まるリンデル編は、「麗しき~」の「14:「散華」~煉獄~」を下敷きにしています。
 あちらでは大富豪令嬢クロエは叔父と「猫のような彼」に陥れられ破滅するわけですが、本作では如何に……という。そういう趣向にもなっています。
 
 そしてある意味今回はちょっとした「新展開」でもあるわけで。魔女誕生のエピソードを、独立したお話として。
 初見の方に、ここから読んでいただくのもあるいはアリかな、と思っています。

 そして次回は、悪魔とその眷属になった叔父に追い詰められたクロエに、思わぬ「救いの手」が、というお話。お楽しみに。

※本文スクショは、猫の魔術に呪われるアンリ。
 

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