以前に宣言しましたとおり、『神捨て場』は本日(2023年5月14日)をもって予定どおり最終話を公表しました。皆様のご声援・ご厚意あったればこそであります。心よりお礼申し上げます。
今、屋外はひどい嵐です。かのフランケンシュタイン博士が『生き物』を作ったときも嵐だったそうです(※いうまでもなく、『神捨て場』と『フランケンシュタイン』云々は一切無関係です。念のため)。
良く誤解されていますが、フランケンシュタインは、本来は怪物を作った大学生(博士ではありません)の名前です。また、そもそものオリジナルはシェリー夫人ことメアリー・シェリーの手になる小説です。ちなみに彼女は執筆開始当時(1816年)十九歳でした。
さておき、恐怖や怪奇に嵐はつきものです。そこからすれば、『神捨て場』には嵐はでてきません。火事は二回ほど起きました。バーチャル空間で。
しかし、『神捨て場』を執筆している最中の私の精神は常に嵐でした。怒りや不安からくるそれではなく、とにかくプロットに沿って最後まで書くというエネルギーが嵐のように激しく私を駆りたてました。
『神捨て場』は、『ホラフキさんの罰』についで私が書き上げた十万字級のホラー小説になります。書いてすぐわかったのは、明確な題材(本作においてはデスゲーム)に沿った執筆は私にはとても難しかったという事実でした。
疫病神を捨てるための儀式にバーチャル空間を利用するという構想は早くからあったものの、たとえ手を変え品を変えしたところで結局はデスゲームを羅列した『だけ』の凡作であることは変わりません。なにかしら、デスゲームの背景にある背骨を明確にしておく必要がありました。それが呪宝如来です。しかし、呪宝如来が登場しても特に落雷には至りませんでした。屋内だから当たり前です。
呪宝如来が最終的にどうなるのか、それは『神捨て場』を最後までお楽しみになられればわかるでしょう。
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