葎屋敷

ある日、妹から「服が透けて見える眼鏡」を売りつけられそうになる中学生の兄。兄は妹から幾たびも卑劣な商談を持ちかけられるも、人並の冷静さと知能、そして倫理観をもってこれを跳ねのけ続…

私たちの住む国はとても穏やかな場所だった。自然豊かなそこを治める我らが王は、とても賢く、私たちの知らない色を認識できる特別な方。私たちは王とともに幸せに過ごしていた。 けれどある…

しがないサラリーマンの男は、「とりあえずビール」という言葉をきっかけに、女の怒りを買ってしまう。焦った男は女の怒りを鎮めるため、そして嫌がらせのように毎晩食事に出されるズッキーニ…

小さな沈黙に居心地の悪さを感じてしまう主人公は、毎晩エレベーターで出くわす同じ階に住む男にべらべらと自分のことを話してします。あまりの不用心さに男から善意の注意をされ、落ち込む主…

ささくれだらけの私。反対に、ささくれのない母。同じ家族なのにどうして私たち親子は違うのか、子どもの頃はわかっていなかった……。

駅のホームから女性がひとり転落し亡くなった。その近くには、元カレである男が立っていたが、彼は一切彼女には触れていない。しかし、遺族は彼が原因だと嘆くだろう。なぜなら、彼の手にはひ…

日々自宅で多忙を極めている私の下に、姉から一通のメールが届く。そこには姉の家を探すようにという命令があった。姉に弱みを握られた可哀想な私は奴隷のように働かされることになる――。 …

ある馬鹿な男が上司に騙されて山を彷徨っていると、そこにはバッファローにすらモテてしまう女が住んでいた。バッファローに愛の突撃を受けそうになっている女を救って結婚してもらおうと、男…

飯部くんは言い訳ばっかりの小学生。だらしなくていつも宿題をやりません。家に帰ると宿題をすればいいのに、今日はパピルス(紙)を作り始めました。仕方なないので、僕は飯部くんのために、…

通りがかったパチンコ店で、高校時代の同級生が遠隔操作があったと騒いでいる。関わり合いになりたくないと思って逃げようとしたが、あえなく見つかり飯を奢るはめに。最初は散々だと思ったが…

ボクは悪い奴に閉じ込められている。お母さんと会うために、ボクはここから逃げ出してみせる。そのためにも、筋トレ頑張るぞー！ (どうでもいい話) KACの777文字には出来なかった…

しがない大学生の僕は、ある深夜の散歩中にメリーさんに声をかけられた。心臓が飛び出そうになりながら命乞いする僕に対し、メリーさんは存外優しい。しかも美人！　彼女がかのメリーさんなの…

友人の光司に呼び出された。光司は俺の幼馴染と付き合って三年になる。きっと、結婚するという話だろう。 俺は昔を思いだす。俺は、あの娘が好きだった。けれど、あの娘が光司を好きだと知っ…

ある日、友人の七原がボロボロの姿で教室に現れた。なにがあったか聞くと、様々な不幸な目に遭ったらしい。詳しく聞いていくと、彼女が買ったぬいぐるみが怪しくて―ー。 ぬいぐるみを手放す…

神様と天使が住まう天界で、強盗事件が発生。盗まれたのは、どれも同じ古本屋で買われた本で――。堕天してしまった天使は誰なのか、大天使ナナコが真相を暴く短編ミステリー。 【雑談】７…

メイドである私が世話をしているのは、成金のお嬢様だった。我儘、サボリ魔、身の程知らず。欠点をあげれば尽きることのない彼女が私に暇を出そうとするとき、メイドの反逆が始まる。 全4話…

古書店で働く僕は、客の持ち込んだ段ボールの中に、本に紛れた日記を見つけた。その内容は愛憎渦巻く感情が綴られていた……。 ジャンルはとりあえずミステリーにしましたが、要素はかなり…

俺は寝つきが良かった。一度眠りにつけば、朝日を浴びるまでぐっすり寝る。そんな俺が、珍しく真夜中に目を覚ました。どうやら停電が起きているらしく、視界は真っ暗だった。俺は手探りで家の…

町で儲かっていると評判の料理茶店「猫塚」。その家に盗みに入った弥八郎は、奇妙なまねき猫を目撃する。恐ろしい家に盗みに入ってしまった弥八郎の運命やいかに。

兄は私だけのヒーローだった。私だけに優しい言葉をかけてくれて、私だけを怖いものから守ってくれる。テレビのヒーローみたいに喧嘩することができなくても、いつも私の傍にいて、言葉で私を…

　借金を作り過ぎると、マグロ漁船に乗せられる、という都市伝説がありますが、あれはやっぱり都市伝説のようです。借金作り過ぎちゃうお馬鹿さんなんて、命をかけた漁船では役に立ちません。…

学校帰りの放課後、友人から不審者の話を聞く。その名も「末広がり婆」。自分の八十八の誕生日に招こうとしてくる婆についていったが、最後、永遠に終わらないバースデーパーティーに捕らわれ…

山中さんへ。 告白の返事が欲しいとのことでしたので、手紙を書こうと思います。直接お返事ができないことを本当に残念に思うと同時に、斬鬼の念に堪えません。 さて、あなたの第六感とやら…

地下アイドルレナ。それが青年の推しアイドルだ。青年はある日、共通の友人である麻里奈から、推しがストーカーの行為に悩まされていることを知る。青年はレナからストーカーの話を聴き憤慨す…

元剣道部の藤本の元に、ある日友人が後輩を連れてやって来た。どうやら、後輩が二刀流の魅力を知りたいらしい。そんな後輩に対し、藤本はつらつらと二刀流の魅力の薄さを語り始めた。それが、…

俺の母はよく、俺のことを「橋の下で拾った」という。俺はその事実を知らないまま育ち、ある日、俺の実母を名乗る女に出会ってしまった。

高校生の私は、いじめをするような奴にも逆らえないような、情けない奴だった。 でも、友を失って、私は復讐のためにカッターを懐にしまった。 ああ、あの外道に復讐を。そう思っていたのに…

古代生物“鬘樔ｺｺ迪ｿ”博物館。ここでは一億年前に隕石によって滅びた、彼らの化石が飾られています。彼らが隕石によってどう滅びたのか、知りたい方はお立ち寄りを。化石というものの魅力…

最近、俺の部屋に女性物の下着がよく置かれている。おそらく妹のものだ。母が洗濯物をしまう時にでも落としてるのだろうか？ そう考えていたが、真相は全く別のところにあったーー。

ある夏の日、俺は蝉を一心不乱に踏む女に会った。その女は俺を見て、俺を前世の恋人だと断言するが――。 ＊ 「きっと叶わないでしょう。私の願い、君の誓いも。だって、輪廻は繰り…

ある日、幼馴染が音信不通となった。真面目な幼馴染がなにも告げずにいなくなったことに、俺と先輩は違和感を覚える。 俺たちは幼馴染の彼女に事情聴取。すると、彼女の言葉から嘘がボロボロ…

冒険家である僕が訪れた町には、「繭の女」という伝承があった。その伝承によれば、繭の女は笛の音で人を魅了し、己の下に誘い込んで食らうのだという。 町の人々の話に興味を持った僕は、繭…

音楽大好き少年菊池は、ある日誰もいない屋上で歌う少女、宇田川と出会う。 照れ屋な彼女と菊池は、一緒にオリジナルの歌を作ることになり――。 二人が音楽と共に過ごした、数十日。そして…

ある日、ブラック企業で働く吉川は不思議な少年と出会う。疲れ切っていた吉川が少年の言う通りキャリーケースに入ると、いつの間にかパラレル・ワールドへと来てしまっていた！？　 下へ、底…

男が女に一目惚れをした。早速告白をする男を受け入れる代わりに、女は一緒に「死に場所」を探すように要求する。 これは女と男が「死に場所」見つけるための話。

友人に空き家探検に誘われ、仕方なく付き合うとそこには恐ろしい女のお化けがいた。しかし俺は思う。本当の怪異はもっと近くにいるのだと――。 ただのコメディです。

ある日、友人の晃彦から「妹がソロ活を始めた」と相談を受けた。詳しく話を聞くと、晃彦からシスコン臭が放たれていることに気がつく。ボクは晃彦の悩みを解決するため、一肌脱ぎ、彼の妹と話…

私の一族には予知の力を宿すお姫様（おひいさま）がいる。そのお姫様は幼く、あまりに可愛らしい。私は世話係としての役目も無視して、お姫様を屋敷から連れ出そうとする。すべては尊いお姫様…

ある日クラスメイトの私ちゃんに声をかけられ、オレは彼女の小説を読むようになった。最初は嫌だった読書が、次第に嫌いじゃなくなっていき、オレの気持ちにも変化が現れる。

友人とはぐれ山で遭難してしまった俺は、湖にスマホを落としてしまった。連絡手段がなくなり絶望したが、そこになぜか湖の精が現れる！

修学旅行の夜。学校一の美女からご褒美を請求される話。

地球人類が滅亡すると直観した私はケーキを食べに行くことにした。命がけのその行為に迷いなどない。私は人生で初めて、おいしいケーキを食べるのです。たとえどれだけ痛い目に遭おうと、関係…

就活がうまくいかなかった僕は起業しようと仲間集めを始める。その仲間集めがうまくいかない中、出会った男が僕の人生を変えた。 RUNの意味は、英語で走る。そして経営する、だ。

名前が仰々しいことくらいしか特徴のない僕は、校舎裏で鎌を持った見知らぬ少女に首を切られそうになった。 わけがわからないまま、当然僕は少女から逃げる。しかし少女は教室、果ては家まで…

私には双子の妹がいる。馬鹿で詰めの甘い妹を理由に、私はこの家を出ます。

え、窓から投身未遂事件ですか？ ものすごい知ってます。そもそもあれ、知らない生徒がいないんですよ。 大事件だったんで、翌日にはもうみんな知ってて。 それだけじゃなくて、ほら。私飛…

どこにでもある少年野球の練習場。そこになぜか入り浸る青年は、腹を空かすためにここに来るという。 その理由に同意することはないが、彼の境遇に私はとても興味を惹かれた。 ぜひ食事の場…