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アストゥリアスの花が終わりまして・・

 テレビや雑誌で(浮気をする男性の)嘘の見抜き方というものを特集で目にすることがあり、嘘を見破る淑女の話を作ろうと考えたのですが、徒然なるままに書いていたら随分と長い作品となってしまいました。

 スペインはモーロ人の侵略を受けて長い間、モーロ人の支配下となっていたのですが、スペインを観光しても分かるとおり、今でも素晴らしいアラブ調の建築物が残されています。食べ物などにもアラブの文化が混ざり、アラブの血が混じっているからこそ、目鼻立ちがくっきりとした美しさをもつ女性が多いのも特徴的。

 モーロ人の支配下にあった時代、実は平民たちは彼らの統治で豊かな生活を傍受することが出来たわけです。ですが、異文化、異民族、異国の宗教に嫌悪を示す人々はいつの時代にもそれなりの数いるわけで『聖戦』を掲げた戦いが激しさを増すようになり、多くの人々が命を落とすこととなりました。

 聖戦を軸に強大な権力を持つことになる人々は、宗教の名の下に弾圧を行うようになっていきます。異端審問の名の下で行われる拷問はナポレオンの時代に『それは廃止にしようよ!』と、ナポレオン自らが言い出したわけなんですけれど『廃止になんかさせて堪るかー!』と言って教会が大反対するわけです。

 え?拷問をやめられない?なんで?ですよ。ですが、そんな歴史があったのは間違いない事実です。

 アストゥリアスの花では、北大陸進出を目論む帝国がボルゴーニャを征服するのは決まったようなものとなっているのですが、それを理由に、聖騎士団を結成して武力を拡大していこうと目論むムサ・イル派や、そんなムサ・イル派の思うままになってやるもんか!と足掻く人々の戦いとなります。相変わらず『ざまあ』が酷くてエグいのですが、勧善懲悪を少しでも楽しんでもらえたらなと思います。

 テレビをつけているだけで流れ込んでくる数々の情報。差別や迫害、虐殺や為政者のエゴ。世界が壊れ始めている今この時点で、歴史を知る私たちには何が出来るのかと問いかけられているような焦燥感を感じる日々・・の中で、物語の中くらいは、希望ある未来を語りたいと思いたくて作り出した作品です。

 最後の番外編はペネロペの女同士のバトルを最後に加えたくて書いた割には、肝心のバトル部分を載せ忘れていたりと、不手際がありましてすみません。この作品がいっときの娯楽となって頂ければ幸いです!


                             もちづき 裕

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