30~39話について。
第31話「この焼飯の肉を何と見る」
「旗本退屈男」の主人公である早乙女主水介の啖呵より。個人的には林家木久扇師匠の物まねのイメージ。
第32話「金の粒の背に乗って」
中島みゆきさんの「銀の竜の背に乗って」より。この回は熊本の老舗ということで天上のものとしての書き方を意識していました。
第33話「三十路男と牛肉の騎士団」
「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」より。息をつかせぬ旨味の連打は本作の展開に似ているなぁ、と。
第34話「博士の愛した包(パオ)」
「博士の愛した数式」より。餃子の具がとろけるという稀有な経験を致しまして、ただ、それを書くにはこのスペースでは足りない、と。
第35話「踊る呑兵衛」
インド土着の神様にかかわる「踊るシヴァ神」像より。罰当たり。それくらいのスパイスの暴れぶり。
第36話「天気晴朗ナレドモ波高シ」
日露戦争は日本海海戦時の電報より。壱岐対馬沖の地獄の乗船実習を思い出しながら書いています。
第37話「酒宴は一日にして成らず」
格言「ローマは一日にして成らず」より。だからこそ、しっかりと継いでいくことが大切。
第38話「南の国の大王は」
童謡の一節「南の島の大王は」より。ちなみに「ホクラニ」は「天の星」という意味のハワイ語らしい。
第39話「サケノミノ・ヘタイロイ」
飲み屋との絆こそがわが至宝! わが酒道!
アル中たる余が誇る最強宝具──
『サケノミノ・ヘタイロイ』なり!!
呑兵衛とは、誰よりも鮮烈に生き、諸人を見せる姿を指す言葉。全ての酒飲みの羨望を束ね、その道標として立つ者こそが、呑兵衛。
故に呑兵衛は孤高にあらず。
その肝臓は、すべての街の志の総算たるが故に。