「黄泉比良坂〜」の第二話、キリがいいところで半分くらい上げようと思ってたのにずるずるいってしまうので、とりあえず今できてる全体の三分のニくらいまでを公開しました。次回完結編は1〜2週間後になると思います。
それはさておき、ネットの記事でたまたまサザエさんの主題歌について書かれたのを読んで、全体のピッチが原音より微妙に低いとあったのになるほどと思いました。確かになんとなく落ち着きすぎな雰囲気で違和感があったのです。
それ以外にも、サザエさんの主題歌って変わった曲ですよね。まずバランスがやけにボーカルに偏っていて、伴奏が断片的。そのせいで聴いていると注意がボーカルに向くんですが、最初はサザエさん主観で歌ってたのがサビで突然周りの人に移り、さらに犬とかあまつさえ太陽とかどんどん関係ない周縁に広がっていきます。で、最後には突然お天気の話をし始めるという、とんでもない力業で曲から意味が消失していく異常さ。
さてこの、ベクトルは中心に向かっているはずなのに中心で意味が消失するという話は、ロラン・バルトの「表徴の帝国」で語られていた日本論とぴったり符合します。歌舞伎の隈取とか典型的ですね。あれはもともと筋肉を表して喜怒哀楽を強調していたのに、いつの間にかそういう模様自体に意味がすり替わっていった好例です。
結論としてサザエさんは少なくともオープニングにおいて日本文化を端的に象徴することになります。ちなみに私は日曜18時からBSで大河ドラマを見ているのでサザエさんは十年くらい見ていません。「鎌倉殿の13人」、めちゃくちゃ面白いんですがこの話はまた後ほど。