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異世界古書店の成行

お盆休みだし何か長めの新作を書きたいなあと思っていたところ、カクヨムさんで「楽しくお仕事 in 異世界」というコンテストをやると読んで、仕事というなら本屋さんの話でもやってみるかと思い、しかし本を扱うなら同じ本を大量にというより一点ものの方が絶対面白いなと。そうなると新刊じゃなく古書店で、それで次の縛りの異世界というのは、まあ運営さんの狙いはやはりファンタジー系で魔法が出てきて、すると古書店の仕事は「伝説の魔導書を扱ってます」というような。でもその辺の古書店がどこから伝説の本を仕入れるのよ、そういった理由づけにやたらご都合主義とかチート要素を入れるのはどうも趣味に合わない。そもそも魔導書って何語で書かれているのか、紙は羊皮紙なのか植物繊維なのかはたまた竹簡か、印刷技術はどうなってるのか活版印刷があったらさすがによくある中世風国家の社会レベルはあり得ないし写本なら馬鹿高くてお客さんは王侯貴族ばっかりだし。いっそのこと伝説の魔導書に何が書かれているのか読み解く学者の物語はどうかと思ったらそれって「薔薇の名前」じゃないかと。ならば逆転の発想で、印刷された本でもコストがそこそこ高い、なぜなら出版社がないからだ。出版社がないのはそこが情報を共有して社会を革新する必要がない世界だからで、生命が生命である限り社会は革新されるからその必要がないのは生命が生命じゃないつまりあの世だということになり、あの世もまあ広義の異世界と言えなくもないんだからあの世の古書店にすればいいじゃないか。
ーーという逡巡を経て、どうもコンテストの狙いを外してるような気がするんですが彼岸の貸本屋さんの物語を作ってみました。作者が本好きなので、やっぱり本を扱う物語を書くのは楽しいです。今一話目の半分くらい公開しましたが、残りは明日にでも、それからいつできるかわかりませんが、少なくとも二話目は書きたいなと思っています。

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