すっかりご無沙汰しております。最近はカクヨムで色々な作品を拝読しつつ次の作品の資料を集めたりしていますが、資料用に最近読んだ本の中に面白いのがありました。
Davide Busato, I Serial Killer della Serenissima(ダヴィデ・ブサト著、ヴェネツィアのシリアルキラーたち)
*英訳もあり
切り裂きジャックより前に連続猟奇殺人犯がほとんどいないのはなぜか? を問いつつ、中〜近世のヴェネツィアの連続殺人事件を紹介する本です。
これは私も以前から疑問で、中世は疫病や飢饉が多く、人は生きるのに必死で猟奇殺人にかまけている余裕がなかった(大意)という説明をどこかで読んで、いまいち納得いかなかったのです。
著者によると、猟奇的な殺人は中世にもあり、さらに当時は余罪を追及するという考えがなかったので連続性を発見できなかったのではないか、と。
確かに殺人犯は早くて次の日に処刑されちゃいますからね。つまり、
犯人「へっへっへ、実は他にも殺してるもんね」
裁判官「なに!? ちょっと待った! 処刑中止~!」
とならない限りは連続性が見過ごされたのではないか。捜査資料の多くが失われているので再現は難しいそうですが、調べていくと連続殺人らしき事例が続々出て来るという。面白い切り口だなあと思いました。
↑ただやっぱり猟奇性(メッタ刺しとか)に限って言うと17~18世紀以降が多い気がします。このへんはよく分かりません。
🍅🍅🍅
というわけで次の作品のことをぼんやり考えながら、息抜きに『覚書』の番外編というかスピンオフ的なものを書いたりしています。エピローグのあとに続ける予定でしたが、10話超えるのが確実なので分けることになりそうです。こうなると完全に別作品です…。
例によって遅筆ですが、方向性が見えてきたらゆっくり更新して行けるかなと思います。