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聖者の行進

みなさんは聖者の行進という言葉で何を思い浮かべるでしょうか。

ジャズ? ドラマ?
最近、キタニタツヤの『聖者の行進』をずっとヘビロテで聴いています。

すごい歌なんです、これ。

音楽的なものは皆目検討がつきませんが、歌詞が面白くて仕方ない。

♪ すべて飲み込んでしまうように
 進んでいく聖者の行進
 弱い僕らさえも赦して
 連れ去ってしまう
 破壊でも救済でもなく
 全てを均(なら)す聖者の行進
 打ちのめされてしまった僕らの
 憂いを払ってくれ、なぁ

希望にあふれる曲も、絶望的な歌っていうのは他にもある。けれど、救いもなく、絶望もなく、圧倒的な力でねじ伏せていく、それが『聖者の行進』。そこにあるのはただの淘汰であること。

どこにこのパレードは向かってるのか。悲しみも喜びも消え失せたらそれはなんか恐ろしいことのように感じる。ぞくぞくする。

ディストピア小説が好みのわたしにはたまらない世界観の歌です。心臓をバクバク振るわせたい方におすすめ。


ちなみに面白い歌詞だなあと思ってたら、シンガーソングライターのキタニタツヤは東大出身でした。そう思うと、歌詞が直接的じゃないのに、聖書の引用らしき部分があったり、非常に哲学的な歌詞。賢さを端々に感じる。にしても読み物としても面白い歌詞だ。


PS 今小濱さんの5番目の小説を読んでおります。終わったらえーちゃんおすすめの他の作品にいくつもりです。みなさんが教えてくれた短編、すごくわたし好みでふわふわしながら読んでます〜❤️

11件のコメント

  • おはようございます。

    いまの歌、よく分からないんですが、なにかに押しつぶされるような歌詞ですねえ。明るく、開放的な80年代に10代を過ごしたわたしは、そう刷り込まれてるのか「そんなことないじゃん。世界は本来明るいし、人ってもっと強くね?」って思っちゃいますねー。

    そんな高校生の頃読んだのが、アイザック・アシモフの『聖者の行進』(創元推理文庫)です。SFです。当時、ジャズのことはぜんぜん知らなくて、「なんなんだろう、このタイトルは」ってずっと気になってました。アシモフらしい器用さが前面出た短編集で読みやすいです。

    21世紀にはいり、SF作家アシモフの評価はかなり下がってて、ファンとしては残念ですねー。
  •  つい癖で、再生をタップしてしまいました!
  • わたしもタップしました。

    あ、画像だって(笑
  •  お互い、インターネットに毒されてますね。笑
  • こっそり私もやってしまいました(笑
  • 開けばカオス(笑) そうかあ、押しちゃうのかあ。

    藤光様

    >いまの歌、よく分からないんですが、なにかに押しつぶされるような歌詞ですねえ。明るく、開放的な80年代に10代を過ごしたわたしは、そう刷り込まれてるのか「そんなことないじゃん。世界は本来明るいし、人ってもっと強くね?」って思っちゃいますねー。
    そうですよね、80年代&90年代初頭はバリバリ稼いで、好きなものに、好きなことにお金を使って、非常に明るい時代だったような気がします、YouTubeで見る限り。でも今って、もう変えられるのなんて自分だけのように感じてしまうんですよね。だからか、こういう抑圧されて、それが解放されるみたいな歌詞がぶっ刺さるのかもしれません。

    >そんな高校生の頃読んだのが、アイザック・アシモフの『聖者の行進』(創元推理文庫)です。SFです。当時、ジャズのことはぜんぜん知らなくて、「なんなんだろう、このタイトルは」ってずっと気になってました。アシモフらしい器用さが前面出た短編集で読みやすいです。
    アイザック・アシモフといえば映画の『アイ、ロボット』は好きでよく見てますね(もっとも内容はアシモフの書いたものとは全然違うようですが汗)。へえ!アシモフも『聖者の行進』というタイトルで、書かれてるんですね。ちょっとそれは面白そうだなあ。

    >21世紀にはいり、SF作家アシモフの評価はかなり下がってて、ファンとしては残念ですねー。
    そうなんですか?今でもロボット工学三原則ってたまにSFで見ますけどねえ。『イヴの時間』っていうアニメーション映画はその原則がいいトリックになってるんですよ~。

    わたしもこの『聖者の行進』の意味がわからなくて、調べてみました。もともとゴスペルの挽歌らしいです。当時奴隷として扱われていた黒人が死んで、聖者として天国に行く、すばらしいことだから喜んで送り出そう、そういう意味でつけられた題名だそうです。意味が深いですね。
  • 『聖者の行進』って聞くと、『死の行進』を思い浮かべるんだよね。聖者も死者も、意味は紙一重だと感じてる、漠然と。

    そして、死の行進はdeath march。

    IT用語でデスマって言って、無理のあるプロジェクトに於ける過酷な労働を意味するんです。

    聖者の行進の意味は、けいさんのコメントで初めて知りました。結局、どれも天国へ向かってるんだ。納得。
  • 聖者の行進って、結局キリスト教圏の文化背景がないと
    理解できないので難しいところですね。
    救済も予定調和だと考えている節もあるし、非キリスト教圏の人間には
    複雑ですね。
    神に対するスタンスと救済に対するスタンスがどれも共感や理解という
    尺度で測れないみたいですから。
  • レッドツェッペリンの、天国の階段。
     もオススメ。(カオスの種を更に投入)
  • @MASAmarch様
    ノートにまでありがとうございます!

    >『聖者の行進』って聞くと、『死の行進』を思い浮かべるんだよね。聖者も死者も、意味は紙一重だと感じてる、漠然と。
    それ、けっこうあってましたね!

    >IT用語でデスマって言って、無理のあるプロジェクトに於ける過酷な労働を意味するんです。
    それの「マ」ってマーチですよね、死の行進…。すごいネーミングですね。

    そういえば、MASAさん、なんでmarchなんですか?3月生まれ?march出身?
  • Y.T様
    >レッドツェッペリンの、天国の階段。
     もオススメ。(カオスの種を更に投入)
    ふうん、聞いてみますね(営業スマイル)
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