第2稿企画書
題名:『王国志』
キャッチコピー:褐色の英雄と灰色の魔法猫の冒険譚
カテゴリ:北欧風ヒロイックファンタジー
梗概:
前半の物語:ヴァナン大公国の廷臣・褐色の英雄シグルズと、食客である相棒の魔法使いの灰色猫ヨルムンガンドは、富国強兵策の一環として、ムスペル大公国の戦象、ベルヘイム大公国の名馬、ドベルグ大公国・ニーザ大公国の製鉄技術を求めて東奔西走の冒険を行っていた。
後半の物語:このころ中津洲三公国を実質的に傘下にしていたのは、隻眼大公ヴァーリ治下にある北の覇者ヨナークである。対する南の大国ヴァナンは、かつて覇者であったが、先代モディ大公の時代にヨナークに敗れ、中津洲を奪われてしまった。現当主のユンリイ大公は、大公国の実権を握る宰相ミミールと執政ホグニの兄弟を警戒し、暗愚を装っていたのだがある事件を契機に親政を開始し、名君として活躍するようになる。
やがて勲功によりシグルズがノアトゥン辺境伯となると、そこに名将ブラジ・スキルド元帥率いるヨナーク軍が侵攻してくる。この戦いこそが、第三次中津洲戦争の幕開けだった。
世界観(地図参照/地図作画:アマミ):
ユグドラ大陸と南海の大きな島・ムスペルからなっており、有名無実と化したアスガルド王国と先進地域・中津洲の三公国、周辺地域にある八つの大公国で構成されている。
アスガルド王国王室は亜神の末裔だが、サピエンス族との混血が進み実質はサピエンス族化してしまった。とはいえ稀に、英雄シグルズのような先祖返りをする子孫が現れる。
八つの大公国は、サピエンス族のヴァナン、ヨナーク、ベルヘイム、ムスペル、ドワーフ族のドヴェルグ、ニーザ、エルフ族のエルヘイムで構成される。
中津洲の三公国はいずれもサピエンス族の国で、レオノイズ、ニグヴィ、イエータで、そのうちレオノイズ公家は前王朝王室の流れをくんでいる。
なお大きな島ムスペルには、アスガルドに臣従していないエルフ族の国・上ムスペル王国や、そこから袂を分かった新フェンサ王国がある。新フェンサ王国の由来は、サピエンス系のレオノイズ王朝、亜神系のアスガルド王朝以前のエルフ系王朝・フェンサ帝国に由来する。フェンサ帝国時代の遺跡は、ムスペル島を中心にユグドラ大陸の各地に点在している。
登場人物:
〈アスガルド王国〉:始祖の王は亜神だがサピエンス化した国
リーグ・ヴォルスング王……暗愚と言うわけではないが存在感がない。
バルドル・ヴォルスング王子……英邁な王族。
〈ヴァナン大公国〉:始祖の王は亜神だがサピエンス化した国
ユンリイ・ヴァン大公……美麗であるという以外取り柄がないと言われている。
グルベーグ公姉……ユンリイの同母姉で才色兼備。
大常卿ウル・ヴァン……ユンリイとグルベーグの腹違いの兄。
宰相ミミル・ヴァン……侯爵。実力者。
シグルズ・ヴォルスング……アスガルド亡命貴族出自。褐色の英雄。主人公。
ヨルムンガンド……灰色の魔法猫。神獣。述者。
執政ホグニ……伯爵。宰相の弟で軍のトップ。
平侍従長ドルズ……ミミルの子。エギルの舎弟。
エギル侍従長……平騎士だったがミミルに見いだされ出世する。
レリル……南岸地方豪族出自でエギルに推挙され、将領となる。
〈ムスペル大公国:南海の島〉:サピエンス族の国
フレイヤ女大公……判断力が高い君主。
鴻臚官レイベル……女大公の乳姉妹。弓手。
〈ヨナーク大公国〉:サピエンス族の国
隻眼大公ヴァーリ・ヴォルスング……アスガルド王国の分家筋。「北の覇者」
ブラジ・スキルド元帥……老練な将領。
ホーコン軍師……ブラジとの付き合いが長い。補佐役。
〈エルヘイム大公国〉:大陸西部の大森林を領域とするエルフの国
ヒョルディス女大公……脳筋系で迷彩装束を着ていることが多い。
ノルン姫……ヴァナン大公ユンリイの正妃となる。
〈ドヴェルグ大公国〉……大陸沿岸部にあるドワーフの国
ヤラル大公……シグルズに、ドバリンを紹介する。
青髭のガン……名工。ドバリンの亡き父。
ドバリン……シグルズの食客として仕え、ノアトゥン辺境伯領の差配となる。
〈レオノイズ公国〉:中津洲
ヘレモデ公……公国の君主。
エイリミ将軍……有能な将領で宰相でもある。息子はアトリ。
〈イエータ公国〉:中津洲
グンナル公……暗愚で好色な君主。
エアルド伯爵……クーデターを起こす。「僭称公」の汚名を着る。
イドイン夫人……伯爵の妻。ニグヴィ公家の姫君(庶子)で絶世の美女。
〈上ムスペル王国〉:ムスペル島の奥地にあるエルフ族の王国
ギューキー王……新フェンサ女王となった妹ブリュンヒルドに手を焼く。
女神官グズルン……王の一門。
〈新フェンサ王国〉:ムスペル島の奥地にあるエルフ族の王国
ブリュンヒルド……同国女王。ギューキー王の妹。錬金術師。ヒロイン。
ロキ宰相……〈黒衣の貴紳〉と呼ばれる物語を通しての黒幕。トリックスター。
白狼フェンリル……ロキの食客。ヨルムンガンドに対抗できる神獣。
ヴェルンド……名工。シグルズに仕える。
王国志:第2稿の章立て(1話3千字前後・全10万字の予定)
Ⅰ 南海航路:
01 大陸から来た男/02 白き戦象グルトブ/03 城邑スルト/04 エルフの呪詛/05 誓約/06 異端の女王/07 狂戦士/08 突入 /09黒衣の貴紳/10 逢瀬/11 船/12 帰還
Ⅱ 沿岸航路:
13 大公女グルベーグ /14 菩提樹宮 /15 海賊島/16 ドヴェルグ大公国/17 ニーザ大公国/18 毒竜ファフニール/19 定期市
Ⅲ 森の道:
20 ノアトゥン辺境伯領/21 覇王覚醒/22 遭遇戦/23 鹵獲/24 エルヘイム大公国/25 深淵の森/26 新王朝
Ⅳ 覇者の道:
27 ミミルの乱/28 城邑ヴェストリ/29 ヨナーク戦役/30 城邑ウトガルダ
Ⅴ 王者の道:
31 イエータ事変/32 魔性の女/33 中津洲への侵攻/34 決戦前夜の宴/35 布陣/36 決戦/37 掃討/38 敗者の処遇/39 後日談