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『大学生探偵小宮山杏奈の四季』「息もできない夏祭り」執筆報告書

 こんにちは。平野真咲です。「冬の墓標」が書きあがったのが去年の8月という恐ろしさよ。今回はシーズンに間に合いましたけれどね。1年も遅らせながらですが。
 そういえば、この話を書いている時にちょうど電車での痴漢が大きく世間を騒がせている時期がありました。杏奈さんは女性の探偵で、久仁さんは男性の語り手で、それぞれの立場から性犯罪に対する怒りや被害者の苦しみをわかろうとする態度があります。もちろん、冤罪や勘違いから何の罪もない人が罰を受けることになってしまうこともあります。しかし、実際には痴漢被害に遭われている方が何千人、何万人といて、そのことで心に深い傷を負っているという事実からは目を逸らしてはいけない。今起きている問題を風化させない、自分たちのこととして捉えてもらうことが社会派小説の使命の1つだと考えています。
 一応社会派ミステリーにもカテゴライズされる『大学生探偵小宮山杏奈の四季』、また、久葉中シリーズにもまたお付き合いいただけるとうれしいです。

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