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『デジタルクラウドメモリーズ』を執筆して

 こんにちは。平野真咲です。
 今回は、少しだけ長い後書きにお付き合いください。
 『デジタルクラウドメモリーズ』を書く中で思ったのは、昨今の世界情勢の移り変わりの激しさ、文明の利器のすごさ、そして人々の願いです。
 この作品の構想自体は以前からあり、いつかは執筆しようとデジタルアーカイブの情報をかき集めていました。そんな中での急なコロナショックです。先に進めようとした小説の執筆が難しくなりました。
 ショッピングモールやレジャー施設は休業しました。図書館や博物館、美術館等も休館しました。
 外に出て遊んだり図書館の本を読んだりすることは、執筆のためのネタ集めにもなっていました。
 学校は休校を迫られました。
 満足に学校に行くこともできない日々を過ごす学生の方々にとって、趣味の範囲を出ない学園ものの小説とはどのように映るのでしょう。
 そもそも命がけで仕事をしている人たちがいる中で、アマチュアの自分が小説を書き続ける意味とは?
 下した決断は、今手元とインターネット上で事足りる情報で書くことができ、かつステイホーム期間中の楽しみになる小説を書くことでした。デジタルアーカイブならインターネットが使えれば家で楽しむことができます。自分が初めてデジタルアーカイブを見たとき、すごい! と感動したのを伝えればいいんだ、と。
 web小説を楽しんでもいいし、デジタルアーカイブを使ってもいい。他のコンテンツに向かってもいい。自己満足と趣味の範囲を出なくても、書いて発表する意味は絶対にあるはず、と信じて書き続けました。
 完結までの3ヶ月の間にも、世間では様々なニュースが流れました。悲しいことやつらいことも忘れないように、今生きている自分たちが記憶を引き継いでいくのだと、ここに記して終わりたいと思います。

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