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繕光橋 加さん宛

このコメントは大前提として、そもそもあなたが人に「自分が書いたものを読ませたいのかどうか」という話から始まります。仮に読ませるつもりがない・読ませたくないのなら、このあとの文章はほぼすべてがあなたにとっては無意味だと判断します。

ただ、社交辞令的に付け加えたのかどうかはさておき人の企画のコメント欄に現れて「ご期待の上、是非お楽しみくださいませ」と言ったという事実は念頭に置いといてください。あなたは、わたしに期待してほしいと思ったし、作品を読ませることで楽しませようという意思があったと解釈します。そのうえでまっさきに浮かんだ問いをぶつけますが、この構成はなんなんでしょうか。

1の「産めよ、増えよ、地に満てよ」の時点で五千文字超えているうえに、内容は引きの工夫がほぼない。よくいえば衒学と碩学の中間のような内容ですが、わるく言えば讃美歌のような内容を書き連ねただけの読者を蚊帳の外に置いた文章群。あのノリで13まで分割されているわけで、下手すると5、6万文字もよく分からない文章を読まされることになるあの構成は、いったいなんなんでしょうか。

あなたの文章からは一貫して「答え」が存在していることは感じられましたが、「問い」は感じられませんでした。最初から決め打ちされた「答え」へと行き着くように文章が組み立てられているような印象すら覚えました。「問い」とはさまざまな解釈が可能な言葉です。より直感的な言い方をすれば、「なぜ?」ですし俗な言い方をすれば「冒頭に転がる死体」です。よく娯楽では「冒頭で死体を転がせ」と言いますが、それは「死体が転がる」ことによって「なぜ?」が発生して興味が始まるからであると考えます。かなり省略した表現ではありますが。

カクヨム版においてはタイトルにもなっている本をあえて開幕にもってきたのかもしれないだけで、本来はその本の内容が終わったあとから始まっていて、本の内容はその展開の中で小出しにされていたかもしれない。ただ、真実はなんであれ、どうであれ、いま公開されている順番でしかない。よもや「三差配偽記」の部分が退屈なら読み飛ばせばいいのは言いますまい。

本来であればほかの参加者と同じように本文から逐一抜粋をして、描かれている考え・描こうとしている考えについて吟味するところですが、正直この構成の作品を投げてくる相手に訊ねたいところや思想的な解釈を確かめたいところはなかったです。

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