【※第八部までのネタバレを含みます】
こんな所まで読んでいただき、ありがとうございます。作者のGiGi(ジジ)と申します。
さあて、ようやくお届けすることができました(2回目)。本編の裏の主人公である『リョウカ』の物語、いかがだったでしょうか。
こちらは覚悟していたとはいえ、かなり重たい話になってしまいましたね……。加えて、莉奈とリョウカが直接会話する部分はあまり削りたくなかったので、想定以上に長くなってしまいました。お付き合いいただきありがとうございます。
リョウカの正体、実は作者的にはあまり隠すつもりはなく。『菱華』姓で気づいた方もおられるかも知れません。
(ちなみにページを英語翻訳すると、第一部の異世界チュートリアルで頻出した『菱華』が『Ryoka』と翻訳されまくってしまいます笑)
ミスリードもちょいと絡めたりしましたが、部を追うごとに考察要素は増やしたつもりです。『飛ぶ』能力の発展性に着目された方は、リョウカのやっていることは莉奈でもできそう、と早い段階で気づいたかも知れませんね。
作者としては魔女狩り戦の『彼女』回で確定させたつもりでしたが……いやはや、創作って難しいですね。ただ、気づく人は気づくという、いい塩梅にできたのではないかと思います。(そもそも考察ものとして読んでいる人は少ないという説あり)
そしてもう一つ。終盤にリョウカの相棒となった、みんな大好き(であって欲しい)ジョヴ爺。いやあ、物語執筆当初から、早くリョウカとジョヴ爺の絡みを書きたくて書きたくて仕方なかったんですよ!
この世界の『物理最強』と『魔法最強』の二人のやり取り、いかがでしたでしょうか。リョウカがいたからジョヴ爺は本編でやたら協力的になってくれましたし、ジョヴ爺は孤独に戦ってきたリョウカの拠り所となっておりました。
惜しむらくは歳の差が……笑。ただ、孤高同士の二人、その掛け合いは書いていてとても楽しかったです(結末から目を逸らして)。
という訳で。物語を最初から読んだ方は、まさかこんな作品・展開になるとは思っていなかったのではないでしょうか。
実はこの物語を執筆するにあたり、ネット小説のとある強みを活かすことにしました。それは『打ち切りがないこと』。
作者さえその気になれば、人気がなくても続けられる。本作は最初は毒にも薬にもならない、フラフラしたファンタジー作品という印象だったかと思われます。
……『ドメーニカ』の物語から入られた方は、警戒しながら読み進めたかと思いますが……笑。
ただ第八部を終えた今、その『当たり前の日常の積み重ね』こそが必要だったのだと感じていただけたのではないでしょうか。うん、思っていただけたらいいな。
そしてここまで続けられたのは、もちろん読者の皆様のおかげです。最初の方は強がっておりましたが、やはり読みにきてくれる人がいる、それがあるからこそ、エタらずに、ペースを落とすことなく執筆できたのだと思います。
さて、物語もいよいよ最終部を残すのみとなりました。
あの素晴らしい日。それを失わせないために彼らは最後の戦いへと向かいます。
先に申し上げておきますと、賛否ある展開、そして賛否ある結末を迎えるかと思います。
苦難はあるでしょう。衝撃もあるでしょう。
ただ、これだけは忘れないで欲しいです。あなたが感じた感情、それはおそらく、執筆している作者も同じ気持ちであるということを。
そしてお願いです。ここまできたら、どんな展開になろうとも、どうか最後の一話まで見届けてやってくださいませ。
さあ、最終部予告です。
『発芽』するドメーニカ、顕現する『滅びの女神像』。
世界の命運を賭けた戦いに、トロアの者たちは立ち向かう。
物語の終わりに彼女の見る光景は——
『——じゃあ、行ってくるね、お父さん』
「ライラと『私』の物語」最終部。破滅の『運命』に抗う者たちよ、命を、燃やせ——。
これは『厄災』に立ち向かった、家族たちの叙事詩。
ぜひ最後まで、お付き合い下さいませ。
2025年 9月 3日 GiGi