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KAC20236

「先輩、アンラッキー7って知ってますか?」
「7テンが強い機種の7図柄をラッキー7と呼ぶ場合、7テンがカスな機種の7図柄をアンラッキー7と呼ぶみたいなキミのホームのパチンコ用語かな?」
「7……え、なんすか?」
「パチンコで遊戯をしているとき、7でリーチがかかることを7テンというんだよ。由来は麻雀であと一手で上がる状態である聴牌から来てるんだろうね。というか、リーチも同様に麻雀用語から来てると思うね。面前で聴牌した時にかけられるのが立直。たぶん英語のreachとは別だと思うけど、確信はない」
「何もかもわかりません」
「麻雀は流石にわかるかな? ボードゲームの一種で、2-4人でプレイする(1人でやる人がいないとは言わないが)。このゲームには多種多様の牌と呼ばれる、まあトランプにおけるカードのようなものがあって、これが事前にランダムに配布されて、一巡に一度ランダムに一つ牌を引き、入れ替えながら「役」と呼ばれる特定の牌のまとまりを作ることを目指すんだね。で、その「役」を完成する時に、他の人が捨てた牌を使うこともできるんだが、全く使わないで進めることもできる。全く使わない場合を面前と言うんだ。で、面前で聴牌した場合、聴牌したという事実を公開して、あるコストを支払って、以後アタリまで自摸切りをする……自摸というのは、牌を引いてくることを指して、引いた牌によって役が完成する場合はアタリ(面前清自摸)だが、完成しなかったら手牌に組み入れないでそのまま切ることを言うんだ……ことでハイリターンを得ようとするのを立直と言うんだよ。それを模して、あと一つ図柄が揃ったら図柄揃いが達成される状態だという液晶上の示唆のことを、パチンコでもリーチと呼ぶんだね」
「????」
「さて、このリーチ(パチンコの方だね)にはいくつかの特徴があって、特定の演出を伴ったリーチが生じると、その後のアタリに繋がりやすいということがある。こういうのを「強い」リーチなんて呼ぶわけだが、ある種の機種では、7テン……7図柄で聴牌するのが「強い」リーチになることがあるわけだね。しかし、これは機種間で共通したルールではないのだよ。ちなみに機種間で共通するルールとしては、レインボーはアタリ、金色はかなり「強い」などがある。7テンは、かなり強い機種もある一方で、ぜんぜん大したことない機種もしばしばだ。下手したら7図柄で当たっても確変(ST)突入確定しない機種まであるね。と言うわけで、7テンが強い機種を「ラッキー7」と呼ぶ場合に、7テンが弱い機種を「アンラッキー7」と呼ぶのかなと思ったんだが……どうやら違ったようだね」
「ハイ。カスの京極堂の話聞かされてんのかと思いました。僕が言いたかったのは、ベトナムでは7が不吉な数字だと言われてるらしいよということだけで」
「ほう……ベトナムってなんだい?」
「はぁ? 国ですよ、国」
「国ってなんだい。どういう状態を国って言うのかな? 北スーダン王国は国か?」
「ひええ〜。こんな話振らなきゃ良かったよ〜。アンラッキー7だ〜トホホ」
「7関係ないだろ。逃げるんじゃないよ。ええ? 数字ってなんだい。ちゃんと説明したまえよ」

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