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予想外の行動に弱い

 まあ予想というのはそもそもバフなので(ふつうは)、そらそうだと冷静になった今は思うが、でもねー、あれは衝撃的だったな。

 いきなりステーキに行ったんですが、あすこって伝票挟みクリップみたいなのがあんですよ。で、店員が来て伝票を挟んでいく。それで、「伝票こちらに挟みますね」って言って挟んでいく。通常は。

 それがなんかうまくいかなかったみたいで、店員さんも何度かトライしてたんだけど、うまく伝票が挟まらなかったんですよ。まあこっちゃあステーキに夢中ですから、しかも450って鉄板にみちみちに入ってるので、これどうやって加熱すんだよ無理くね? と試行錯誤してるので、別に気にもとめてなかったんだけど、そしたらさあ、スッ……て伝票テーブルにおいて店員が去って行くんですよ!!

 どうしたんだ急にそんな興奮して、って皆さん思われたかもしんないんですが、いやー、これめっちゃ興奮したんですよ。なんか。夢でも見てんのかと思った。諦めて無言で置いていく、しかもちょっと伝票破れてるって事態がめちゃ面白くてさあ。

 この話一切皮肉はなくて、本当に凄い良かった体験なんですけど、例えば「すみません、ここに伝票置いときますね」って言われてたらなんてことない普通の話なんですよね。「あーハイイイっすよ」で終わり。全く心にはひっかからない。その一言を省略するだけで、こんなにも面白いことに変わるのか!? っていう、その、なんてんですかね、コミュニケーションのシビアさっていうか、その部分が面白かったのかもしんないし、あのー、とにかく怒ってないんですよ。これはクレームではないんです。でもクレームに聞こえるよなぁ。違うんだよ、すげー良かったんだよ。あの、伝票置いてった瞬間のびっくり感。エンタメの域だったんだけどなあ。何がそんなに面白かったかって言われるとムズイんだよなあ。

 あの、ルフィとかね。そういう漫画の主人公って、人と同じようなことはしないじゃあないですか。サラリーマンに、俺はなる! とかさ。老後のために確定拠出年金を、俺はする! とかはやらない。
 でも、その一見奇天烈な思想の結果発生した行動って万人に支持されるじゃあないですか。つまり、レアな思想を持ってした行動がめちゃコモンな、ポピュラーな結果になるみたいな、そのことが意外性っていうか、あー俺が思いつかなかったそれが最も正しかったんだ!! って気付かされるみたいな、それが主人公の資質だと思うんですが。

 そんな感じ。いやもう散々見てるから、伝票置いときますね、なんて言われなくても場所は分かる。伝票なんて多少破れてようが全く問題ない。となるとそこに言葉はいらない。そうなんだけど、アアー置いていったーー!! って衝撃は何故かあって、でもよくよく考えればこれで最適というか、別に大した問題ないよなって思う。でもじゃあなんで俺はこんなにビックリしたのか? と考えてしまう。いやー、たまにまたやって欲しいですね、その伝票の置き方……。

2件のコメント

  • 無言はクール、という前提があるんでしょうかね?
    「つりはいらねえぜ(でも金は払えよ)」
    みたいな
    めだか兄さん「今日はこのへんで勘弁しといてやる(わかりづらいけど吉本新喜劇です)」
    みたいな、
    悪戦苦闘と無言っていうギャップ萌えですねきっと!
  • そうっすね、多少パニクってるはずなのに、なんかスッと諦めていったギャップに興奮したのかもしれません。クールドジっ子フェチなのかもしれないですね。
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