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超伝導のバグ感

 超伝導っていうかマイスナー効果なんですけども。
   https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C

 これさあ、おかしくないです? 我々の認知機能の方がおかしいんですかね。理系の人教えてください。

 超伝導ってなんですかっていうと、金属をめためたに冷やすと抵抗がゼロになりますよという話です。ここまではまあ、理屈はともかく、「そういうこともあるんだな~」で納得可能ではあるわけです。

 で、抵抗がゼロになるということは、そこに磁場(磁束)が流れますと、フレミングの右手の法則でも、俺は良く知りませんけどもマクスウェル方程式でもいいんですけども、とにかく、それに直交する電流が発生しますわね。これもまあ、「こういうもんでしょう」っていうか、そういうルールなので受け入れるしかないわけですよ。で、この直交する電流の巻き方向から右ねじの法則で考えますと、無抵抗の電流から生じる、すなわちまったく同じだけの磁場が逆方向に生じるわけですから、反磁性になる。

 ここまでは分かるって言うか、理屈は通ってるなっていうふうに思うわけですよ。っていうか、これを否定するとなると、「金属を冷やすと抵抗が下がるのはおかしい」とか「右手の法則が成立するのがおかしい」って話になるのですけど。

 だもんで、超伝導というのはまさに「超伝導」(完全導電性、ゼロ抵抗)であって反磁性自体はその副産物って考えたいじゃあないですか。

 違うっていうんですよ。「完全反磁性」そのものが「超伝導」の特徴というか定義というか、とにかくその一つだというんです。何言ってんだお前って思いません? 俺は思いまして、wikiったら確かにマイスナー効果の中で、

"先に外部磁場をかけて物質内部に磁場がある状態にしてから、物質を冷却して超伝導状態にすると、超伝導状態になったとたんに磁場が物質外部に押し出される。この現象は電磁誘導の法則では説明できない。"

 って書いてるんですよ。ハア???

 それはダメじゃん。ルール違反じゃん。すごいバグっぽくないです? バグっていうか、なんていうかな、「しょうがないからそこだけ例外処理しました」みたいな。
 基本ルールを作った人、どなたか存じ上げませんけども、「めっちゃ冷やすと抵抗が下がりますよ」ルールと、「磁場が存在すると回りに電流が出来ますよ」ルールが競合しちゃって、永久に残る磁束がなんかこう悪さをしてバグるので、しょうがないから「そのときは磁束追い出しまーす! それはなし!」って適当にやったった感を感じませんか? 

 俺は感じました。いや分かるんですよ、それを言い出したら「右ねじの法則」だって、「そういうルールになってる」ってのがおかしいでしょって言えるっちゃあ言えるよねってなる。それはそう。でもさあ、こう、最小限の公理的なものがあって、後はその応用で出来てるって信じたいじゃあないですか……それを否定されるとなんか文句の一つも言いたくなるんですよ……。いやこれもなんかの応用で説明可能なのかもしれませんけども。でもなんか。分かるように作ってくれやって思いますよね。思いました。

3件のコメント

  • 相が違うので適用される法則もまた変わるのですよ。
    常電導体が水だとすれば、超伝導体は氷。
    水を流体力学で扱うように、常伝導体もマクスウェルの法則で扱える。
    でも氷は個体だから流体力学では扱えない。同様に超伝導体もマクスウェルの法則では扱えないのです。

    水を金づちでぶっ叩けば波が立つ。それを冷却して氷にするとぶっ叩いても波は立たない。割れる。この現象は流体力学では説明がつかない。

    って言っているのと同じで、しごく当たり前のことです。
  •  そう(これは超高尚なダジャレではなく、単純に相槌です)なんですよねーー、なんかそんな話をされて、正直逆にそれで良く納得できんなって思ったんですが、ここで納得いくか否かがいわゆるところの理系と文系の分水嶺なのかもしんないですね……。。

     なんかたとえば流体力学では扱いきんない事象があったとして、じゃあ量子力学を導入すると統一理論で説明できまっせ、みたいな(量子力学は何一つ分かってないので、不適切な例えだったらスミマセン)、なんかこう、より高次の一般規則があって欲しいと言いますか。まあ現象は現象としてあるので受け入れるより他にないんですが。。

     あとなまじ右ねじの法則くらいで説明つきそう感があるじゃあないですか、「あー完全伝導だから、逆向きの磁束が発生して打ち消しあうのか!」って珍しく分かった感じになって。それで「いや、完全反磁性はそれはそれで独立した超伝導の特性」みたいなこと言われて、あ? 因果あるだろうがどう見ても、ってのがムカついたポイントかもしれません。生兵法は怪我の元的な
  • http://www.px.tsukuba.ac.jp/~onoda/cmp/node75.html

    ここ読んでたんですが、

    コヒーレンス長$\xi$というのは,超伝導体の中で電子が記憶を保って走る距離のようなもので,ある点の電子はその点のまわりの距離$\xi$のことを感じているといってもよい.したがって,ある点の電流 $\mbox{\bfseries\itshape {J}}$も,その点のまわりの距離$\xi$の範囲の磁場の影響を受けるはずである.

    もうぼくはだめだとおもいました。そういうもんだと素直に認めます。

    「ある点の電子はその点のまわりの距離ξのことを感じている」と来ましたか……電子が……もうこの世界のことは理系に全て任せます……
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