金剛ハヤト(ダイヤモンド・ハヤト)様の作品です。
作品URL
https://kakuyomu.jp/works/16818093075753914427冒険バトルな異世界ダークファンタジーでございます。
主人公は生まれながらにして、超人的な能力を持ち、正義の味方に憧れて、騎士を目指す十四歳の少年。
彼は、願います。
「皆が怯えずに暮らせる世の中にしたい」
それは子どもらしい純真な願いでしたが、あまりに強すぎる力を持った彼が、どのように大人たちに利用されるのか?
それは騎士としての初陣で答えが出ます。
その戦場で彼が求められた振る舞いは、彼が目指していた正義の味方とはかけ離れたものでした。
もはや戦闘とすら呼べない、圧倒的な力を持ってしての、一方的な虐殺とでもいえるもの。
その自分の所業に、彼は絶望するしかありませんでした。
彼の信じていた正義の味方など、この地上のどこにもありえはしなかったのです。
これは、そんな信じていたもの全てを失った少年が、再び自分の目指すべきものを見つけ、そこへ向けて足掻き続ける姿を描いた人間賛歌の作品です。
かなり重めのストーリーに真っ正面から取り組んでますが、作風自体は暗くないのが印象的です。
重い過去を背負った主人公が、新たな仲間たちと、新たな日常を作っていく、という感じですね。
特筆すべきは、ダイヤモンド・ハヤトさんはこれが初めて書いた小説、というわりに、めちゃくちゃ文章が達者でいらっしゃることです。
文章だけみれば最低5年くらいは書いてた人なんじゃないか、って最初思ったくらいだったので、これを知ったときは驚きました。
複数キャラが動き回るアクションシーンなんかは、作家さんの文章力が分かりやすく出る部分なんですが、そういうシーンが毎回、完成度高いんですよね。
アクションの解像度を上げて細かく描くべきシーンと、動きを概念的に大雑把に伝えるべきシーンの切り分けなんかも適切ですし。
普通、初心者の場合は、解像度を上げるシーンなんかは、単語を多く使いすぎて、情報量を読者が消化しきれず逆に何やってんだかよくわからん、みたいな事がまま起きたりしがちなんですが、そういうのがないんですよね。
そして、解像度をさげて大雑把に描くべきシーンは、単語を最小限にしつつも、何をやってるかはちゃんと脳内再生できる程度には、描いてくれるっていう。
こういうのって普通は長年の経験則で、単語の量などの塩梅を調整したりするところなんですが、これ天然で出来ちゃってるのがすごい。
ご本人は気づいてないかもしれないけど、これは凄まじい武器になります。
なお、私は文章力は自信ないので、複数キャラが動き回るシーンは絶対に書きませんw
そんな私から見ると、才能ってこういうのを言うんだろうなと、羨ましくなっちゃいますね。