• 二次創作

後書きⅢ サーバルサイドのフレンズについて

アライグマとフェネック
 アニメ『けものフレンズ』での表主人公がかばんとサーバルであるなら、彼女たちは裏の主人公と言えるでしょう。しかし『ヒトの業』に関して言えば、さほど重要な位置にはいなかったと自覚しております。

 さて、アライグマは作中で綴られている通り、かばんの裏切りは自分が引き起こしてしまったものではないかという疑問を戦争中ずっと抱えることになってしまいます。結局は──どちらにせよかばんはヒトに対し幻滅するため──杞憂だったわけですが、アライグマが抱えていたものは潰れそうになるほど重く苦しいものだったでしょう。それでもあれだけ元気そうに振る舞えたのは、ひとえに彼女の『力』ではないでしょうか。

 フェネックはそんなアライグマを心のどこかで察しつつ、支えることに徹しています。これは、この問題は自分がまったくの無力であると分かっているからです。
 また、フェネックはメンバーの中でも感情の機微に敏感で、ある意味で誰よりも仲間を信用しています。あの時、かばんが勝利宣言した瞬間に仲間の乱入を予期できたのは、ジャパリパークの群れならば絶対に来るという確信があったからです。


ライオンとヘラジカ
 技のライオン、力のヘラジカが個人的なイメージなのですがいかがでしょうか。彼女たちはどちらもセルリアンとの戦闘中にサーバルを鼓舞していましたが、この二人なら仲間を奮い立たせることくらい訳ないでしょう。

 ライオンは終始サーバルを案じていたため、サーバルに掛ける言葉は彼女が前に進むために必要な言葉をかけていました。コメントでも指摘されたことがありましたが、道中のあの戦い方は捨て奸という戦術に近いです。要は「ここは俺に任せて先に行け」という奴なのですが、サーバルが「捨て駒にした」という考え方をしないために励ましていました。
 一方で、ヘラジカはサーバルの選択が間違いではないことを重点に置いて背中を押しています。
 どちらも群れの頂点に立つリーダーであり、ある意味で成熟した精神をもっている彼女たちは、まだ未熟者であるサーバルに彼女たちなりの見解を説いていました。


ツチノコ
 サーバルサイドで個人的に一番動かしやすいのがツチノコでした。影響を受けまくった結果、どこかのモンスターみたいな立ち位置になってしまったのは自覚があります。
 彼女には決意の狂気があり、それは『追い詰められれば追い詰められるほど頭が冴える』というものになっています。B-2型セルリアンをパターン化したり、断片的な情報から誘導する人物(?)を特定したり、最悪の想定に気づいたことからも、その一端は垣間見えると思います。また、フレンズで言えばヒトの理解はかばんの次に高いでしょう。
 ツチノコの考え方は『理想的な最善』ではなく『理屈的な最適解』であるため、もしサーバルとともに研究所に辿り着いていたら、彼女は間違いなく〝黒幕〟の存在を明かしたことでしょう。


博士
 サーバルらのまとめ役であり、ツチノコが裏のブレインであるなら彼女は表向きのブレインです。
 決意の狂気は『何を犠牲にしてでも目的を果たす』ではあるものの、サーバルのように仲間すら手にかけるような狂気までは持ち合わせていません。そのため、『かばん』の無限地獄では助手を倒すことは出来ませんでした。
 博士は本編を通してもどこかでかばんを信じ続けており、且つそれを成し遂げられるのもサーバルであると考えていたため、積極的にサーバルを引っ張る役を務めていました。

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