http://www.portepub.co.jp/ 最近、日野自動車の燃費偽装が日本経済を揺るがしております。
大型車用エンジンの認証試験の燃費測定の最中に故意に設定を操作する、中型車用エンジンの排出ガス浄化装置の劣化耐久試験の最中にマフラーを交換するなどの悪質な不正から、国交省は日野の大型自動車用エンジンA09CおよびE13Cと中型自動車用エンジンA05C(HC-SCR)の形式指定を取り消すことを決定しました。
これは簡単に言うと、たとえば1NZという形式指定を与えられたエンジンがあったとします。1NZはうちのイストのエンジンですけど。
自動車には二輪四輪問わずにフレームとエンジンそれぞれに形式と、そのあとに七桁か八桁くらいの通し番号が割り振られています。
イストであればフレームがNCP61、エンジンが1NZ。
普通車検証にはフレームナンバーと、エンジンは形式だけですが記載されています。
メーカーはエンジンや車種ごとに性能や燃費、耐久性の試験を実施し、性能が均一であるという前提のもとにその試験結果を国に提出し認証を受けることで同じ車種であれば個別に審査を受ける事無く登録販売することが出来ます。これが無い場合は一台一台新規登録の際に車検と認証を受けないといけないということですね。
形式指定の抹消というのは、つまり車検証に記載する項目が取り消されるということで、取り消された時点でこれ以降の新規登録が出来なくなります。つまり受注済みのものも含めて、ナンバーが取得出来なくなる=引き渡し不可能ということです。
販売しようとするなら新規の検査を個別に受ける必要があり、要するに大量生産が出来なくなるのです。
対象は中型エンジンA05Cを搭載したレンジャー、大型エンジンA09C・E13Cを搭載したセレガとプロフィア、日野と共同開発したために該当する大型エンジンを搭載したいすゞの大型バス・ガーラ(セレガの名称違い)。
そして複数回の燃費検査からもっともいい数値を採用するなどの不正があった小型エンジンを搭載したマイクロバス・トヨタのコースターと日野のリエッセII。
以上の六車種が販売出来なくなります。すでに引き渡されてるものに関しては今回の処分の影響を受けませんが、カタログスペックと異なるのなら改修とか、あるいは使用年数や距離にかかわらず返品とか、カタログ上の燃費と実際の燃費の差額の返金とか、そういう要求は出てくるでしょうね。もしくは強制的なリコールとか。
以前のekワゴンのやつと違って一般人に手に入る車ではないので、メーターの走行距離いじって返金を多く受け取ろうとする様な乞食臭い連中は出てこないでしょうけど。
で、フォルクスワーゲンもアレなんですよ。
アメリカで2015年に発覚した排ガス浄化装置の性能偽装、不正が問題になっていたのは当初ディーゼル車のみでしたが、あとからガソリン車も発覚することになります。
で、フォルクスワーゲン日本法人は国内には該当車輌は無いと表明したんですが、これで根拠が崩れることになりました。日本国内にディーゼル車は輸入してないからおkという理屈でしたからね。
残念ながらドイツの技術力はシュトロハイム少佐が「我がドイツの科学力はァァァァァァァ世界一ィィィィィィィィ! そう思っていた時期がァァァァァァ私にもォォォォォォォありましたァァァァァァァ!」とガチ泣きするレベルの様です。
そういえばスズキもやってたよね。
上記のいずれもそうなんですけど対応するには改修と返金(返品)のどちらかしかないんですよ。国によっては排ガス浄化性能によって税金が変わったりするんですが、この場合改修によって最低限カタログ通りの性能を(パワー、トルク、排ガス浄化性能)発揮する状態にしないと客は納得しないでしょう。
それをするにはエンジン、吸排気系、ECUを丸ごと積み替えないといけないわけで、しかも出来ないのをわかってて不正でごまかしてた以上、そもそもカタログスペックを実現する技術は無いわけで。
つまり、本当の意味で償おうとするなら、今からカタログスペックを実現し、かつ今まで売ったすべての車両に搭載可能なエンジンを一から、否マイナス百あたりから開発しないといけないわけで。そのうえで今までの賠償は必要だろうし。
無理だろうなあ。そんな技術があったらそもそも不正が必要無いわけですからね。
で、問題は冒頭のURLなんですけど。
別にもう行く必要は無いんですが、今年もバステクフォーラムを覗いてみようと思ってたんですけどね。
これけっこう開催が危ぶまれる状況なんじゃないかと思うんですが、大丈夫なんだろうか。既に登録の済んだ状態であっても、形式指定を取り消された車種を堂々と飾っておくわけにもいかないでしょうし。
そして今年こそはバスまつりやるんでしょうか?