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コンテストには間に合わんかったな

 ま、そんなもんだ。
 物語とは、生まれるべくして生まれてくるものだし。
 むりくりこっちの都合に合わせたら、嘘話どころか目を当てるのも不快なゴミ以下になってしまう。
 言葉がループし始めたら放ったらかす。
 べた凪に止まってしまったら、普段はやらないことをやってみる。
 それにしても。でもでも、気になる。
 そろそろどうかな。
 どうかなあ?
 覗き見しながら、もたもたと進めるなんて、職業作家さんなら飯の食い上げだ!
 それが出来てしまう私は幸せかもしれないねえ。
 思う存分やれてるもんね。
 かくりょの場合は、環が軸に居るから楽。
 彼は自身の美貌と小柄な体格を苦にして、あっちこっちに首を突っ込んで知己が多いから、切り口もたくさんあるところが助かる。
 まるで身近に生きている人の事を語るようになるけれど、本当にそうなのよね。
 反対に、コンテストに間に合わそうかと手を付けていた単発の「かけおち」は、これっきりの人々しか出てこないから余計に気を使う。
 短編って、難しいかも。

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