『ひいらぎもどろき祓い ねぶらまの棺』
https://kakuyomu.jp/works/16817139555364958941 で参考にした書籍をまとめました。
ちなみに本作はホラーアドベンチャーゲームの金字塔『零』シリーズ第二作目『刺青ノ聲』にもインスパイアされています。主な作業中BGMは零シリーズの楽曲、もとい天野月(子)さんの歌でした。
■民俗学、民間信仰関連
『異界と日本人』小松和彦(角川ソフィア文庫)
『近江の土葬・野辺送り』高橋 繁行 (淡海文庫)
『神隠しと日本人』小松和彦(角川ソフィア文庫)
『神主と村の民俗誌』神崎 宣武 (講談社学術文庫)
『しきたりの日本文化』神崎 宣武 (角川ソフィア文庫)
こちら著者の神崎さんは、代々神主の家系で、普段は東京で民俗学者の仕事をされながら、祭りの時期は郷里の美星町に帰って祭祀を執り行われている方です。
もうご本人がそのままホラー小説に出て来そうな強さですね。
古き祭祀の世界が垣間見える著書、非常に面白いです。
ところでしきたりの~の方で、米がいかに神に対する最高のごちそうとして選ばれたのかって話があるんですが、最近の神道は「海外信者の方は米ではなくオーツ麦をお供えしてもOKです」って仰るのマジどうなってるのさフレキシブル。
『日本の子守唄―民俗学的アプローチ』松永 伍一 (角川文庫 (5555))
『呪いと日本人』小松和彦(角川ソフィア文庫)
『蛇』吉野 裕子 (講談社学術文庫)
◎『民俗小事典 死と葬送』新谷尚紀・関沢まゆみ(吉川弘文館)
『民俗小事典 神事と芸能』も買いましたが、どちらも『日本民俗大辞典』から関連項目を抜粋、加筆したものです(事典と辞典は本当にそういう表記です)。
『ムー民俗奇譚 妖怪補遺々々』黒史郎(ムー・スーパーミステリー・ブックス)
『よくわかる山岳信仰』瓜生中(角川ソフィア文庫)
■人身御供・人柱関連
今回は生け贄、人柱、人身御供などの話を盛りこみたかったので関連書籍を色々読んだのですが、結局あまり主軸にはなりませんでした。
とはいえ色々面白い話が読めたので、今後の作品に活かしていきたいものです。
『神、人を喰う―人身御供の民俗学』六車 由実(新曜社)
『境界の発生』赤坂 憲雄 (講談社学術文庫)
『祭祀と供犠 日本人の自然観・動物観』中村 生雄 (法蔵館文庫)
『人柱の話』南方熊楠
『人身御供論』高木敏雄(ちくま学芸文庫)
■刺青関連
刺青にフェチズムを感じるけれど、現代のタトゥーシーンにはまったくの無知なので、できる限り資料を読み集めました。
夜志高が彫る独特の護り刺青(御誓文)のデザインには色々悩んで、最初は「護符をそのまま彫ったらどうか」と霊符などのオカルートな書籍を読んだのですが、「なんか違う」となり。アイヌ、ポリネシア、沖縄、ラオ、各地のタトゥーにAIが生成した存在しない漢字……と色々見ていき、最終的に大島托さんの縄文系ブラックワークをモデルにイメージを固めました。
◎『一滴の黒 Traveling Tribal Tattoo』大島 托 (ケンエレブックス)
若い頃からタトゥーで稼ぎながら海外を旅された、ベテラン彫師さんの回顧録。今年の六月に出たばかり。写真も多く、各地の刺青文化にも触れられる楽しい本で、大いにインスピレーションを受けました。
『 いれずみの文化誌』小野 友道(河出書房新社)
『いれずみ(文身)の人類学』吉岡郁夫(雄山閣)
『刺青・性・死 逆光の日本美』松田修(平凡社)
◎『刺青墨譜 なぜ刺青と生きるか』斎藤卓志(春風社 )
刺青を彫る人の気持ちや感覚について多くの言及がある本。古いので入手はしづらいかもしれませんが、かなり参考になりました。
○『身体を彫る、世界を印す――イレズミ・タトゥーの人類』 山本芳美, 桑原牧子, 津村文彦(春風社)
こちらも今年刊行された本。「刺青」に改めて興味を持つきっかけになった一冊です。
○『二代目梵天 刺青道場 上巻』二代目梵天遊水(恵文社)
彫師さんご自身による、実践的刺青入門指南書。上下巻なのですが、上巻だけKindle化され、下巻はプレ値で二万円ぐらいする古本しかない状態で、なくなく上巻だけ読みました。二十年ぐらい前の本なんですが、他に実践的な本が見つけられず……やはり弟子入り修行からなんですかねえ。
『文身 デザインされた聖のかたち:表象の身体と表現の歴史』 桐生眞輔 (ミネルヴァ書房)
■ホラー論関連
『怪異と遊ぶ』一柳 廣孝, 大道 晴香 , 怪異怪談研究会(青弓社)
『ホラー小説でめぐる「現代文学論」―高橋敏夫教授の早大講義録』高橋 敏夫 (宝島社新書 250)
■その他
『起業の法律と手続き 便利屋・探偵業 開業手続き・許認可申請書 実践マニュアル』木島康雄(三修社)
著者は行政書士の方。探偵とはどういう仕事か書いてある本は色々ありますが、こちらは法律的、実際的な話。作品にはそこまで活かせているわけではないんですが、丹村乗が探偵事務所立ち上げるまでの経緯などを裏で埋めるのに欠かせない一冊でした。
『ルポ 平成ネット犯罪』渋井哲也(ちくま新書)
「ネットで自殺仲間を募って心中って今どうなってんの?」と考え、練炭使ったネット心中を調べたりするのに読んでみました。あれももう二十年ぐらい前の話なんですねえ。というわけで、『眠りの森』コミュニティサーバーができたとさ。