第45回横溝正史ミステリ&ホラー参加作『花のをすくに』(
https://kakuyomu.jp/works/16818093081587509325)が13万と6千文字で無事完結致しました。
最近は昭和舞台の面白い作品に触発されたので(ゲーム『パラノマサイト』だったり映画『ゲゲゲの謎』だったり)昭和あるはそれに近い時代……そうだ、90年代舞台ってのも面白いんじゃないか!? 私の大好きな『死印』などの心霊ホラーADVシリーズも90年代だしな、ということで「平成オカルト浪漫ホラー」という方向性が決定。
私の他作品をお読みの方はお気づきかもしれませんが、滋賀県某所神島郡ならびに神島市はどんどん魔境になっていきます。そのうち警察署のある剣熊町ほかも出てくることでしょう。
しかし今回は難産でした。「ホラーとは何か?」を考えすぎて、「ホラー分からない!」状態に陥り、「ええい物語にはまずキャラクターだ! キャラクターを詰めろ!」と人物の作り込みに手をつけたら、そこからどんどんドラマが生まれ、本筋のような結果になった次第です。
最初は号とクチナシが人と人外のバディみたいになって、vs闇の因習家祭原父子! という形を整え、慈愛(しげみ)くんは当初は敵として登場しつつ、クチナシのために号側へつく、という立ち位置でした。
慈愛くんを作り込む内に、なんか違うな……と思い、敵キャラから降板。代わりにその役割を担うため生まれたのが克生(かい)でした。
ちなみに私はキャラクター設定にはしばしば偶然性を取り入れるようにしており、名前や家族構成をサイコロで決め、多少は結果を微調整します。
その結果、慈愛には兄と姉がいる設定だったのでモブ予定だった二人が、克生と育乃というキャラクターとして立ち上がり……と、どんどん変わっていきました。
森之進は気づいたら生えていました。何あいつ。
いや設定上、神主さんは必要だったし克生の親友ポジのはずだったんですが。
本当なら克生と森之進で「ろんこぎろんこぎ」と餅をこねながら、雑談またはシリアスな会話をしてもらうシーンをやる予定でしたが流れで没に。
「ろんこぎ」そのものは、私の夢で出てきた謎の土産菓子で、丸くて固い……おそらく漢字は「楼凝」かな……という具合だったので、名前の由来は私にも分かりません。龍(ろん)こぎ? まあ外つ神だし。
また作中で触れる機会がなかったんで書いておくと、祭原一族は秦氏が都落ちし餐原に根付いた(餐原も彼らが名付けた地名で、当初同じ名を使っていた)という流れです。なんでかというと、「稲荷神社」は秦氏が始めたものだから。
じゃあ稲荷信仰とか秦氏って何よという説明は特に入れていないんですが、これは前回の長編ホラーで「うんちくを語りすぎだった」と反省したためです。
最近だと『深淵のテレパス』が今どきESPの説明とか入れてくれて親切! と思ったと同時に、「そうだよこれぐらい1から説明する気持ちでいないといけないんだよ」とさらに反省したのでした……。
【ネタバレ後書き】
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