昨日の話ですが、第二回カクヨムコンの最終結果発表が来ましたね。異世界ファンタジー部門にて読者選考を通過した人でなしジュイキンは、残念ながら落選と相成りました。
途中書いてて何度も挫けそうになったりしたのですが、ここまでこれたのもひとえに応援してくださる読者の皆様のおかげ。ありがとうございました。
『人でなしジュイキンの心臓』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881870171 さて、結果発表が31日に来るものと思っていたら先を越されちゃいましたが、一日遅れで本作は完結となりました。19万1300文字と、前回のインゴルヌカを上回る文量でございます。
今回は新たな要素にも挑戦し、改めて自分の未熟さなどが色々浮き彫りになった苦しい執筆でしたが、それだけに大きく手応えを感じる作品になりました。
特に、キャラクターの生き様がそうです。
主人公ジュイキンとその相棒グイェン、そしてルンガオ・ウォンは本作における第三の主人公でした。
本作最後の敵となったウォンは、正直悲惨な人生を送っていた人なので「これで主人公に殺されるのはあんまりだなあ」という思いがあり。せめて最後は「幸せなifの夢」を見て逝って欲しい……などと当初は考えておりました。
しかし。
「舐めんじゃねえ!」とキャラクターの側からそれを拒絶し、走り出していったのがあのクライマックスになります。
あれよあれよと言う間に、彼は自分で自分の幸せをつかみ取りました。
キャラクターが動くとはよく言いますが、自ら動くことを超えて、自らの人生を生き始めた、そんな感覚です。
あ、こりゃあ作者からの甘いおせっかいなんて必要ないわ、と降参するばかり。
物語の登場人物は、基本的にすべて作者のコントロール下にあります。その作者から押し付けられた悲惨な人生と運命に叛逆し、自分自身の命を燃やし尽くした彼は、間違いなく〝主人公〟だったのでしょう。
そうした経験が出来たこと、ルンガオ・ウォンというキャラクターを生み出せたことは貴重な執筆となりました。
作品として見るとまだまだ拙いところはありましょうが、筆致に込めた登場人物の生と死、感じていただければ幸いです。
余談:ローはエピローグで一言だけ出てきたけれど、ディーディーは出番作れませんでした。作者も出したかったです。どっとはらい。