原爆が投下、爆発すると、いわゆる放射性廃棄物が爆散される。
ダーティ・ボムこと「きたない爆弾」として、通常火薬型の爆弾に、放射性廃棄物を混ぜ込み、爆発した地域を汚染する爆弾が、「貧者の核爆弾」として検討されるという。
自然界に爆散放出された放射性廃棄物はどの程度の期間健康被害を生むのだろう?
問う「なぜ広島市は二〇一五年の平均寿命に於いて全国平均より高い平均寿命に達するに至ったか」
私の至った答えはこうだ。
「放射性廃棄物は例え自然界に爆散されたと謂えど、その放射線のもたらす健康被害は人間の寿命レベルのタイムスパンで見た場合に、一過性のものとされ、決定的な健康阻害要因にならない」
元気じゃけんひろしま21(広島市の健康づくりに関する取組)
ページ番号:0000002846更新日:2019年10月21日更新
https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/genki21/2846.html 健康寿命とやらこそ、全国平均を下回っているが僅差でしかなく、平均寿命では全国平均を上回っている。
爆心地付近とされる原爆ドームを「放射線量が高いから」と敬遠する人はいないし、広島産の生牡蠣と聞いて「放射線を放っているのではないか」などと危惧する人はいない。
核分裂反応の廃棄物として恐怖の代名詞のように語られるプルトニウムの半減期は約二万四千年である。
新聞などは「約二万四千年、放射線を放出し続ける」かのような印象で書くがおかしくないか?
高純度のプルトニウム・インゴット数キログラムということであれば、確かに放射線も出し続けよう。
しかし、その線量の健康に影響を与える度合いやいかほどのものか語る書籍は少なくネットの記事にも見当たらない。
半減期が約二万四千年ということは、制作当初に一〇〇放射線を出していたものが、約二万四千年後には五〇放射線を出すことを意味する。
それって、安定的な物質ってことなんじゃないだろうか。
私の気が確かであれば、放射性物質は、より比重が重く大きい元素から、小さい元素に分裂する時にのみ放射線を出す。
……細かいことをいえば二次崩壊もあろうが、さておき。
一粒のプルトニウム原子に着目して観察すれば、それが自然崩壊して放射線を出し安定元素になるのに約二万四千年かけて観察しても、半々の確率でしかない。
この、プルトニウムの長期間にわたる崩壊熱を発生させる原理を元にして、熱電気変換発電による、プルトニウム式ペースメーカーでの実用事例があるという。
原爆はことほどかように「その土地を永久的な死の大地に変えることすらできず、放射線による健康被害は一過性である」ということになる。
その原爆ですらない、原発が不幸なことに溶解し、放射性物質が固まり状に残ってしまっている一点で、福島は広島、長崎と異なる課程を踏むことになるが、それでも、我々は経験として知っていなければならない。
原子爆弾を二度も投下され、放射性廃棄物を全国に蔓延させられましたけど、日本人は、そして広島市民は長寿を維持しています、
ということを。