「異形 円城塔賞」を含む小説

　名家「桑島家」では、願いの叶う眉を紡ぐ異形の女「蚕姫」を密かに飼っている。妾の子である藍十は、彼女の棲み処へ通い、自分の願いを叶えてもらおうとしていた。 　大正十二年、夏の暮れ…

【警告】残酷な描写あり。救いのないバッドエンドです。 カクヨムコン11短編小説部門応募作。 遠野冬花は、息をのむほどの絶対的な美貌と、愛されることの優越感に飢えていた。彼女は闇…

旅商人を名乗るレバンジは、奇妙なアイテムを売っている。とある村に辿り着き、村長のヘイジに若返りの薬を売ろうとした。村に違和感をもったレバンジは、僧侶のセイケンに村の秘密を聞き出そ…

「掘り続けろ。お前にできるのは、それだけだ。」 記憶を失った男は、狭い穴の底で目を覚ました。 前も後ろも土。頭上には十メートル先の歪な空。 空からは、無機質な声と、番号のつ…

氷小惑星を改造した宇宙船は目的地到着後に衝突、消滅する定めです。その前にいかに生命体を救うか、シンディたちの奮戦が続きます。

男は、最愛の妻を看取った際に大きな後悔を抱えていた。死にまつわる強い記憶が隙になったのだろう。そこにつけこみ自らの領域へ引きずり込もうとする異形が──口端を吊り上げた。

ペストの疫禍が遠のき、スペインの支配を逃れ、植民地貿易に沸くオランダで起きたその事件。 未曾有の好景気に沸く都市で、ひとびとの『余剰の金』と『自由』と『希望』を糧に育ったその花は…