GW直前でもうそろそろ電池切れ、一刻も早く10連休や連休コンボに私を放り込んで! という方もいらっしゃるかと思う今日この頃。カクヨム読者&投稿者のみなさんに朗報です! 今回の特集は、皆さんの疲れた体と心を受け止め癒す「モフモフ・人外」特集です! 
モフモフ or 人外が登場するメジャーな作品から注目作まで4作品をレビューしてくれたのは、「異世界で学ぶちょっとHな小説技法」をテーマにしたコミックス『獣耳ロリ勇者はえっちな修正に困っている』を4月27日に刊行する現役小説家・波摘(なみつみ)先生! 本作で初めて大好きなモフモフ主人公を描いた波摘先生オススメ作品を、是非この機会に!

by 獣耳ロリ勇者担当

ピックアップ

安定の筆力で読む王道ファンタジー(可愛い子狐あり)!

  • ★★★ Excellent!!!

 無理やり勇者に仕立て上げられた少年と、魔族に捕えられ魔王と崇められるようになった少女が出会ったことにより始まる、元勇者と元魔王の正統派ファンタジー!

 共に魔族の城から抜け出した二人は冒険を始めるのですが、元魔王の少女は序盤、ある理由によりモフモフ子狐の姿をしています。そしてその子狐の姿には問題があり、「くえ」「きゅ」「ぐええええ」のようにしか鳴くことができず、主人公と意思疎通ができないのです。加えて、読者にもその鳴き声の意味するところが正確にはわかりません。

 ――ですが! そこがとても可愛い!

 普通であれば鳴き声は動物のままでも、主人公や読者にだけは言いたいことがわかるという設定の作品が多いでしょう。ですが、あえて読者にもわからない不自由さを残すことによって、本当のモフモフ子狐と接しているかのような効果を生んでいます。モフモフ好き、動物好きの方は一見の価値ありです!

 中盤以降は少女と子狐の姿を使い分けることが可能になるので、子狐姿と触れ合う機会は減りますが、四章の後半では元魔王の少女がストーリーの大事なキーになっていることが判明するので、まだまだ可愛い子狐の登場シーンを見ることもできるでしょう。

 文章はとてもしっかりとしていて、安心して読むことができます。あなたも可愛い子狐目当てに読み始めれば、あっという間に作品世界にのめり込んでいくことでしょう!
【第四章までの内容についてのレビューとなります】

コボルトがモフモフで可愛い!

  • ★★★ Excellent!!!

 皆さんはコボルトを知っていますか? 最近のファンタジーでは雑魚敵の犬型獣人として扱われることが多いように思います。

 ですが、安心してください! この作品のコボルトはモフモフの二足歩行の犬と解釈されており、大切な仲間として書かれています。主人公のもっとも大切なパートナーともいえるコボルトのマシロは、白い毛並みでモフモフです。

 この作品は三歳児ほどの魔人の王種として転生した主人公がダンジョンマスターとして、モフモフコボルトやウルフ、その他モンスターと協力して生活していく、いわゆるダンジョン運営ものとして展開されていきます。

 洞窟などの屋内のみでなく、広大な外の土地もダンジョンの支配領域と見なされる設定で、ストーリーは主人公の領地拡大を主として進んでいきます。話が進むと、ケットシーや猫獣人という新たなモフモフ要素も出てくるので、モフモフ好きにオススメです。

 サクサクと話が進み、重い展開も今のところないので、まずは軽い気持ちで読んでみてはどうでしょうか? 読み進めるうちにこの作品の魅力に気づくことができると思います!
【レビュー執筆時最新話37話までの内容です】

ケモミミ族に囲まれてゲームを楽しもう!

  • ★★★ Excellent!!!

 この作品のジャンルはVRMMOもの。しかし、戦闘を行わなくても経験値が稼げるという特殊なゲームシステムがあるため、ほとんど戦闘描写はなく、終始のんびりとした展開が続いていきます。シリアスな展開はないので、誰でも安心して読むことができる作品です。

 特筆すべき点は、現段階で主人公を含めたプレイヤーたちのほとんどが獣人であるということ!

 主人公はあらいぐまで、相棒のプレイヤーはライオン。出会う人々もみんなモフモフの獣人で、モフモフ好きにはたまらない内容です。

 ストーリーとしては、祖父(NPC)と同じ、希少な存在である錬金術師を目指して、ゲームを進めていくという至ってシンプルな内容です。

 錬金術師の祖父にもらった本を頼りに、魔法陣を書いてアイテムを生成することで、色々な問題を解決していくというのが話の基本形。のんびりと読み進めるスタイルがおすすめです。
 ただ、文章表現には伝わり辛い部分が多々あります。誤字脱字も目立ちますが、その部分は今後に期待! ですね。
【レビュー執筆時最新話、85話までの内容になります。】