かつては「女性主人公ものは売れない」というジンクスがラノベ業界にはありました。やはり格好良いヒーローが可愛いヒロインを救う物語でないと男性読者には共感が難しかったのでしょうか。しかし時代が進んでツンデレという勝ち気系ヒロインが人気になり、一方で男子は草食系ばかりになり、女子と男子のパワーバランスはすっかり逆転して、いまやラノベ作品では女性主人公やヒロインがバリバリ活躍しています。今回は雛祭りということで、そんな女性主人公やヒロインが活躍する作品を選んでみました。男子を尻に敷いて戦うヒロインもまた素敵だと思います。
異世界ユグド・ヘイラにある王都リ・ワールドで賃貸・不動産屋【ISEKAI CHINTAI】を営む女性イズミ=タチバナの店には家を探して庶民や冒険者や貴族、はたまたドラゴンまで、さまざまな人々が訪れる。
異世界ファンタジーですが冒険しません。お店ものというか、どちらかというと賃貸物件を求めるお客さんにスポットを当てて、人々の暮らしぶりやドラマを描いた生活感あふれる日常系ファンタジーです。
イズミの建築スキルによって作られた物件は、キッチン、トイレ、お風呂にエアコン、家具までついて、まさに現代のウィークリーマンションそのもの(しかも格安!)。異世界の住宅事情ではあり得ない、至れり尽くせりのチート物件に客は歓喜し、商売敵ですら虜にしていく様子が愉快です。
大家であるイズミには勇者や魔王、竜王ですら頭が上がらなくて、仲良く穏やかに暮らす世界観がほのぼのとします。
理想の家を手に入れた喜びと、そこから始まる新生活へ向けたワクワク感が伝わってくる作品です。
(雛祭りヒロイン特集/文=愛咲優詩)