かつては「女性主人公ものは売れない」というジンクスがラノベ業界にはありました。やはり格好良いヒーローが可愛いヒロインを救う物語でないと男性読者には共感が難しかったのでしょうか。しかし時代が進んでツンデレという勝ち気系ヒロインが人気になり、一方で男子は草食系ばかりになり、女子と男子のパワーバランスはすっかり逆転して、いまやラノベ作品では女性主人公やヒロインがバリバリ活躍しています。今回は雛祭りということで、そんな女性主人公やヒロインが活躍する作品を選んでみました。男子を尻に敷いて戦うヒロインもまた素敵だと思います。

ピックアップ

住まいと暮らしのご相談は異世界賃貸へ

  • ★★★ Excellent!!!

異世界ユグド・ヘイラにある王都リ・ワールドで賃貸・不動産屋【ISEKAI CHINTAI】を営む女性イズミ=タチバナの店には家を探して庶民や冒険者や貴族、はたまたドラゴンまで、さまざまな人々が訪れる。

異世界ファンタジーですが冒険しません。お店ものというか、どちらかというと賃貸物件を求めるお客さんにスポットを当てて、人々の暮らしぶりやドラマを描いた生活感あふれる日常系ファンタジーです。

イズミの建築スキルによって作られた物件は、キッチン、トイレ、お風呂にエアコン、家具までついて、まさに現代のウィークリーマンションそのもの(しかも格安!)。異世界の住宅事情ではあり得ない、至れり尽くせりのチート物件に客は歓喜し、商売敵ですら虜にしていく様子が愉快です。

大家であるイズミには勇者や魔王、竜王ですら頭が上がらなくて、仲良く穏やかに暮らす世界観がほのぼのとします。

理想の家を手に入れた喜びと、そこから始まる新生活へ向けたワクワク感が伝わってくる作品です。

(雛祭りヒロイン特集/文=愛咲優詩)

お酒は騎士になってから! 転生幼女はお酒が飲みたい

  • ★★★ Excellent!!!

仕事終わりにお酒を飲むことが唯一の生き甲斐だったOLが、異世界に転生する。騎士の家の娘リリアリス・エイヴヤードとして転生した彼女は、幼くして騎士を目指し始める。すべてはお酒を飲むために!

主人公のリリスは、いわゆる飲ん兵衛女子です。生まれ変わって最初に喋った単語が「おしゃけ!」というから筋金入りです。

ところが転生した異世界では、お酒は国家に奉仕する騎士しか飲むことが許されない特別なもので、一般人には手が届かない。

それなら騎士学校に通って騎士になればよいと考えるのだが、そもそも騎士を目指そうなんて女性は前代未聞。常突飛な言動でたびたび家族を戸惑わせる光景が笑えます。

熱心な説得で家族の理解を得て、騎士学校の入学のために過酷な特訓を始めるのですが、それもこれもすべてはお酒のためかと思うと、君の人生それでいいのか!とツッコまずにはいられません。

なにかとお酒が第一なリリスですが、新しい家族や友人との絆も大切に思っている姿が心温まります。

(雛祭りヒロイン特集/文=愛咲優詩)

いつか夢のステージに! 見習いアイドルと熱血マネージャーの青春奮闘記

  • ★★★ Excellent!!!

ひょんなことからアイドル養成校のマネージャー科を受験することになった主人公が、アイドルを目指すヒロインと夢を追いかける青春シンデレラストーリー。いま流行りのスクールアイドルものですが、萌えよりも燃える!

アイドルや芸能界のことなんて何も知らない中学三年生の主人公・大元空が、自分のためでなく誰かの夢を応援するためにがむしゃらに突っ走る姿が熱い!

家庭の事情で好きなバスケや高校進学を諦めざるを得なかったからなのか、それでも赤の他人のために見返りもなくボロボロになっても、周囲に白い目で見られても、なりふり構わない献身ぶりは、ただのお人好しを超えて執念すら感じる。

そして受験場で出会ったアイドル科を受験するヒロイン・袖浦芽衣も魅力的なのだ。自分のために駈けずり回る大元空に報いるため、臆病な自分の殻を破って一歩踏み出す勇姿にアイドルの輝きを見た。

少年少女が力を合わせて夢を追う! まさに青春! 自分も若い二人を応援したくなりました。

(雛祭りヒロイン特集/文=愛咲優詩)

お嬢様は愛が重い! 鈍感男子とヤンデレ女子のラブコメディ

  • ★★★ Excellent!!!

スペックは高いのに「恋人いない歴=年齢」の大学二年生・宮島樹は、ある日、大企業のお嬢様・神原榛名に一目惚れされた。清楚で可愛い子だが、ひとつの問題があるとすれば、彼女は重度のヤンデレだった。

ヒロインの榛名は、見た目はお淑やかな美人でスタイル抜群の非の打ち所のないお嬢様なのに、出会って数日で男を拉致監禁する行動力がマジやべー奴です。愛がおもーい!

予想外の強烈な本性に宮島樹が戸惑っている間にも、家族と顔合わせを済まされ、周囲に交際関係を広められ、次第に外堀を埋められていき、いたるところに地雷が埋まって逃げられなっていく状況に背筋をゾクゾクさせられつつも、客観的に見れば大金持ちの美人の彼女ができて何に不満があるんだよ!という逆玉の美味しい展開にニヤニヤしっぱなしでした。

さらには大学の先輩やバイト先の女の子にまで言い寄られて、嫉妬深い榛名と女性陣に挟まれて窮地に陥る修羅場の連続が飽きさせない。隙あれば積極的に既成事実を迫る榛名と、誠実な交際を保とうとする樹のせめぎ合いが微笑ましいラブコメです。

(雛祭りヒロイン特集/文=愛咲優詩)