第2話 同期との、再会。への応援コメント
飯田太朗さま
こんにちは。
* * * *
「臨床心理のテクニックと思しきものを、誰にも教わることなく使ってるぞ」
「君、頭の中、心理学のことしかないのか」
僕が訊ねると名木橋は笑った。
「凝り性でね」
* * * *
このやり取りが楽しくて笑わせてもらいました。
いやいや、凝り性な名木橋さんじゃなくても、きっとやっちゃいますよ。物事を新たな切り口で観察できるツールを手に入れたら、いたるところでそれを使って分析しちゃいますよね。
キャバクラのお姉さんたちがどんな臨床心理テクニックを使っていたのか、気になります。
作者からの返信
こんにちは!
気に入ったやりとりを見つけていただけて嬉しいです!
キャバ嬢の知人がいるのですが、彼女の話を聞いている限り、臨床心理学の面接法に近い高度な話術をつかってるんですよね……。自然に身についたのか、もしそうだとしたらすごいなー、と。
世の中を見る尺度があると、ついついそれを使いたくなりますよね。専門的な分野がある人は尚更だと思います。
第1話 転機と、論文。への応援コメント
飯田太郎さま
こんにちは!
フィールドワークの実績が論文や学会発表と並び評価対象になる分野もあるのですね。一概にアカデミアの世界と言っても、分野ごとに全然違うのだなあと、興味深く拝読いたしました。
作者からの返信
佐藤宇佳子さま
こんにちは!
社会学や社会心理学、比較文化学の領域などではあるようです。フィールドワークの実績、それを通じた発見などなどを論文にまとめて発表する感じですかね。
おっしゃる通り、学問の世界でも色々あるもので、それぞれの特色を知るだけでも面白いものです。
引き続き本作を楽しんでいただけましたら幸いです。
編集済
第20話 教授と、学生。への応援コメント
いやーーもうびっくり、ラストで号泣しちまったわ…名木橋さんがびっくり登場からもうね、はああああああとなって、彼にも惚れるし、その理由にも、主人公にも共感もできるし、なんかもう全てがラストに集合してる感じ…
この作品はどの立場からもすごい共感できるというか…主人公が行った実験は決して許されるものじゃないけど(心理戦もおもしろかった)、そこで助け船のごとくな名木橋さんの対応もほんとに素晴らしかった…
主人公は准教授の立場を追いやらられすごく焦る気持ちもわかるし、どうにか今の立場を必死に守る為に、よかれと思ってやっていた実験もいつの間にかその実験に呑み込まれた自分もいて…
彼は性格上、若干やばそうな部分も垣間見えてたけど、そういう部分もこの踏み込んではいけない部分の領域へ行ってしまったのかな~
彼は立場をはく奪されることになったけど、名木橋さんの暖かさや生徒の暖かさにかなり救われたんだろうなーと。こういうことって誰にでも起こる事だとおもうんだよね。なんだかはっとさせられた素敵な物語でした。
作者からの返信
そんなに楽しんでもらえたなら作者冥利に尽きるわ……! 本作はMACKちゃんが推してたね。
名木橋先生に劣等感を抱いた主人公が名木橋先生に助けられるというある意味残酷なお話。自分の進路に悩むあまり人を蹴落としてまで……というのは、ままある話だよね。彼の場合、かなりの狂気を孕んでたのだけれど。もともとやばそうだったというのはある。
確かにこういうことって誰にもありそうだよね。昇進がかかったサラリーマンとかこういうサイコな感じに陥りそう。
感じてもらうことの多い作品だったみたいで嬉しかった!
第20話 教授と、学生。への応援コメント
ごきげんよう、本当に迫力のある心理劇を見た思いです、凄い物語に出逢えました。
ありがとうございました。
名木橋さんが、予想以上に熱い想いを胸に抱いておられて、本当の意味で主人公さんは救われましたね。名木橋さんも責任の一端を感じておられたのかもしれませんが、でもそれだけじゃない、主人公さんも意識していなかった友人関係の大切さを名木橋さんが持っておられたのが、なんだか嬉しかったです。
でも主人公さんには、元々「こうなりやすい」性質があったのかしら、とも少し感じました。恋人の舞さんに対する態度も、思い込みからくる加虐癖がある様子でしたし、それがあると言うことは結構ナルシシスムもあって(ここら辺は乱歩さんの物語にもありましたね)、逆に前を歩く名木橋さんへの嫉妬が燃料になったのかな、とも思いました。
この件で、名木橋さんに被害が向かないように(そうなると主人公さんがまた病みそうで)、そして主人公さんが真っ直ぐ明日を見つめてやりなおせるようにと祈らずにはいられません。
迫力のある物語を、どうもありがとうございました。
作者からの返信
ごきげんよう!
心理劇、および「僕」の堕ちていく過程はちょっと頑張りました。こちらこそ読んでいただきありがとうございます。『乱歩のまなざし』に続いて読んでいただけたこと、本当に、心から、嬉しいです。素敵な読者に出会えて幸せです。
名木橋への嫉妬心、あったと思います。男女問わずできる人への嫉妬ってありますよね。そういう感情、ひいては業の深い人を頑張って書いてみました。
名木橋の心の熱さにも力を入れました。クールに見える彼にも人間らしさを与えたくて。同性から見るとまた違うかな、と思って。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。重ねますが心からの感謝を。星もありがとうございます!
第19話 中止と、救済。への応援コメント
ごきげんよう、緊迫の実験経過、固唾をのんで読ませて頂きました。
実際心理学の実験って、こんな危険な側面もあるのですね。
実験参加者の学生さん達の心理の動き、心の揺らぎ、戸惑い、疑心暗鬼に陥っていく様が丁寧に描かれていて、ハラハラドキドキしながら、だけどテンポ感が心地良くてどんどん読み進めていくことが出来たのですが、並行して描写される主人公さんがどんどん心が闇に呑まれていく様が、読んでいるこちらも一緒に奈落の底へ落ちていくような感覚で、迫力が物凄かったです。
悪魔的になっていく様子、いえ、悪魔的と言うよりも、まるで神の視点でシナリオへの邪魔者を見極め排除して、強圧的な誘導でシナリオを立て直そうとしていくところなどは、もう正にミステリーにおける殺人犯が計画遂行の邪魔者を排除するかのようでした。
名木橋さんの登場で我に返ったシーンなどは、こちらまで大きな吐息を零したほどでした。
作者からの返信
ごきげんよう。
実験心理学、ひいては社会心理学の実験は色々危険な面があります。有名どころだとスタンフォード監獄実験。あれはまさに悪魔の所業。
名木橋の登場で自分を取り戻すシーンは力を入れたので、感じ入るところありましたら嬉しいです。
ちょっとダークでしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます!
第10話 悪魔が来りて、笛を吹く。への応援コメント
ごきげんよう、主人公さん、実験開始前から悪魔に魂を売り渡しそうな気配ですね。
学生時代からの友人である名木橋准教授が同僚という環境が、横溝さん的に言うなら身近にいる悪魔、なのでしょうか。でも、主人公さんの中にある無意識の劣等感や焦りが内面から悪魔を生み出そうとしているのか……。
主人公さんは、研究者、学究の徒というよりも教育者的な側面が強いのでしょうか。
大学の教員の方々って、教育者というよりも研究者の側面が強いような(学ぶ側が強く学びたいと意識しないと教育を受けられない的な)感じが個人的にはします。
そこら辺りが違うのかしら?
すいません、残念なコメントで。
作者からの返信
ごきげんよう!
おっしゃる通り、本作の「僕」くんは研究者というより教育者という側面が強いです。そういう意味では確かに、大学の人間らしくないですね。実は本人もそういうところに気づいてる節があって……? というのは裏話ですかね。
残念なんてことないです!
読んでいただいた上にコメントまでいただけたら僕は本当に幸せです!
ありがとうございます!
第4話 おっぱいと、悪魔。への応援コメント
ごきげんよう、ナイショ、だそうですけれど、そうですよね、やっぱり。
第一作の主人公さん、ご結婚おめでとうございます。そして可愛いお母様になりましたね。幸せそうでこちらまで嬉しくなってしまいました。
でも今作の主人公さん? 女性にとって、男性の視線は「物理」ですからね? あんまり見てるとすぐに判ってしまいます(乱歩ですね)。
そうか、ここで横溝正史が出てくるんですね。
横溝作品は、この主人公さんも仰ってるように、戦前や戦後すぐの閉鎖的な田舎の「村」での前時代的な価値観やヒエラルキーに端を発する悲劇や泥沼のような人間関係が舞台になっていることが多いですよね、その点では乱歩さんのようなその人の胸の内に巣食う悪魔、とは正反対なのかしら、などと思ってしまいました(素人考えなので無視してください)。
卒論で悩んでいた前作主人公さんが、学術論文で悩む今作主人公さんにヒントを渡すというのは、なんだか不思議な関係だけど、優しい感じで素敵ですね。
作者からの返信
ごきげんよう。「私」ちゃんに気づいていただき嬉しいです。素敵な(そしてやたら体力のある)お母さんになりました。
本作は『乱歩のまなざし』とちょっと毛色を変えてみました。おっしゃる通りちょっとどろどろした……感じになってるかな?
読者さんには驚かれた覚えのある作品です。
名木橋シリーズは『乱歩のまなざし』の「私」ちゃんの人生を描いていますので、こうして繋がりに気づいてくれると嬉しいです。
無理のない範囲で、お楽しみください。
第1話 転機と、論文。への応援コメント
ごきげんよう、こちらの物語にもお邪魔させて頂きました。
アカデミックの庭でのポスト争いは近年大激戦だ、というお話をどこかで聞いた覚えがあるのですが(特に学外から招く場合はたいへんだそうで)、今回の主人公さんはその意味では他大学での実績もあってラッキーでしたね(しかも30代前半で准教授さんですか!)。でも、結構論文発表の比重が高くて驚きました(大学ごとに傾向は違うのでしょうが)。文学部系では教授准教授あたりはあんまり論文発表は活発ではないと聞いた覚えもありますが、こちらではそうではない様子(心理学部、として一学部を為しているのですね)。
前回に引き続き種類は違いますが学問がテーマですね、引き続き楽しませて頂こうと思っております(今度のタイトルは横溝さんでしょうか?)。
作者からの返信
ごきげんよう!
こちらにも来ていただき嬉しいです!
大学によって傾向はあるのでしょうが、心理学系は意外と理系的なところもあるので論文や研究発表が重視される土壌はあります。もちろん文系的な分野もあるので、そちらでは論文などよりはフィールドワークの実績が見られたりすることもあるそうです。
今度のタイトルは横溝正史さんです!
読者さんからは「ちょっとダーク」と言われてる本作なので、無理のない範囲で。
第20話 教授と、学生。への応援コメント
名木橋さんへの偏執を拗らせたことが原因で闇堕ちし、それをよりにもよって名木橋さんに救われるという100点すぎる流れ。
場合によってはそれが更なる屈辱を生む可能性もありましたが、堕ち切らずに残ねn——もう抱かれちまえよ……(つД`)ノ
しかしこの主人公、自分より立場の弱い人、とりわけ女性に対する加虐性がなかなか危ういですね。
今はまだ良いとしても、そのうち舞さんに対してモラハラしそう。今も軽くしてるのか。
やっぱり名木橋さんへのクソデカ感情で後戻りできないくらいに狂っていく様が見たい気もします。
デスゲーム実験で翻弄される心理など、読み応えがありました。面白かったです!
作者からの返信
すず姉さん……。
ここまでたどり着けた読者は稀有ですぞ……。今のところすず姉さんを除き1人だけ……。
なのでめちゃくちゃ嬉しい! ありがとうございます!
ラストはちょっと悩んだんですよね……。でもこの話、「男から見たイケメンを書く」って決めてたので、申し訳ないけど「僕」には完膚なきまで叩きのめされてもらいました。
そんな「僕」ですが後日譚では学生のために働きます。幽霊をやっつける話です。
第15話 二回目の実験と、沈黙。への応援コメント
学生同士のデスゲームの駆け引きもさることながら、『僕』自身の仕掛ける駆け引きも面白いです。
集まった学生たちのキャラが相当影響するゲームですね。実験する側としては、運頼みのような……(・・;)
作者からの返信
すず姉さんだ!
様々なキャラのパターン集めて「どのような人間が悪魔的(つまり利己的)行動をとるか?」が知りたいので色々な性格の人集めなきゃなんですよね。
例えば「big five特性の外向性特徴と利己的行動」という研究テーマだとbig fiveという性格検査を事前に受けさせて被験者を外向性高い人だけに限定して実験することはあります。
なので結論運任せでいいんです。実験はうまくいかないことの方が多いし。焦ることの方がまずい(ネタバレか?)
第12話 一回目の実験と、介入。への応援コメント
逆に遠藤くんのようなタイプが闇堕ちするところが見たい気もしますよね。
作者からの返信
すずめ姉さん!
学生は色々出てくるのでそのうち、ご期待に添える奴もいるかも……?
第10話 悪魔が来りて、笛を吹く。への応援コメント
実験の内容が面白くて、どうなるかすごく楽しみです。
しかし主人公には常に名木橋さんへの劣等感があり、それがいろんなことへの原動力のようになってしまっているのが危ういですよね。ランチの値段まで気にしちゃって。
一方で、舞さんに対する執拗なまでの優位性の描写が印象的でした。相対的に自分がどの位置にいるのかを重視するタイプの人なんですね。
作者からの返信
すずめさん!
すごい分析家ですね! 何かこちらが用意した品を全部味わわれている気がする……!
はい。ランチの値段は仕込みです。すごいなぁ……。あっさり見破られた上に他の分析までされちゃった。
書かれる作品もすごいし、読書家としての分析もすごいし(さっきからすごいしか言ってないけど)、見習わないと……。
第5話 計画と、正義。への応援コメント
横溝正史の書籍と共に、赤ちゃんに出会ったことも、閃きの大きなきっかけのような気がします。誰しも最初はまっさらな天使なのに。
ぱっとヒトラーのことが頭に浮かびました。
あと、映画の『es[エス]』。
何が人を悪魔に変えてしまうんでしょうね。本作も興味深いです。
作者からの返信
すずめさん!
お読みいただきありがとうございます!
実はですね、その赤ちゃんとの対比、気づいた読者はすずめさんが初めてです。
僕、「気づかなくてもいいけど、いろいろ仕込んでるよ?」っていう創作スタンスなので、いろいろ、仕込んでます。
今後も気づいていただけたら嬉しいです。ちょっとダークな話なので、ストレスに感じたらすぐにやめてくださいね。
第10話 悪魔が来りて、笛を吹く。への応援コメント
「僕」くんが実験開始前から闇堕ちしそうで震えています。
残るために努力している自分と、進むために頑張っている友人。なまじ能力があるからそこにある差が理解できてしまう。友人とはいえつらい状況です……。
本筋からずれちゃいますが、名木橋との話で出てきた覚醒下手術にめちゃ興味が惹かれました。
麻酔を部分的に覚まして剥き出しの脳みそをチェック! 字面で見るとマッドな感じが半端じゃないです。
手術動画を見てみたら本当に頭を御開帳中なのに患者さんが手を動かしていて、深夜なのに変な声出そうになりました。
なんといいますか、精密機器の基盤をチェックしているようだったといいますか。脳みそって剥き出しでも大丈夫なんだーっていう衝撃を感じたといいますか(大丈夫じゃない)。
医学的分野の心理学、こっちも中々に面白そうですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます! 嬉しいです!
「男から見た男への嫉妬」を書こうと思った第10話なのですが、何分僕が日頃からのほほんとしている馬鹿なので「友人への羨望、嫉妬」がうまく描けているか不安はあったんです。
覚醒下手術は興味深い研究ですよね。僕も大学時代に実際に見学に行かせてもらったことがあるのですが、医者の先生が「ここは?」って訊いた後に三文字の単語を患者に見せたら本当に「半側空間無視」の症状が出たんです。
脳腫瘍は基本的に切除するものなんですけど、「取り過ぎたら」半側空間無視や失語症などの症状が出ることもあるので、意図的に「切り残す」こともあるそうです。で、「ここは切っても大丈夫か」を知るために、開帳している脳みそにメスで触ったり、電気流してみたりして確認をします。
すごく興味深い研究なので、論文なども読んでみたら面白いです! Google Scholar(論文検索用の検索エンジン)とかで調べてみても、よきです!
第5話 計画と、正義。への応援コメント
飯田太朗さま
こんにちは!
神降臨のような境地で気持ちよく研究計画書を執筆しているところですね! 書くことにより、考えが見えてくる、まさにその通りだと思いました。さらに書くことが、思いもよらない理論展開へと導いてくれることもありますよね。この研究はどちらに向かって進んでいくのでしょう?
突如沸き起こった(いやもしかしたら潜在的にずっとあったのか?)悪魔を作り出してみたいという欲求が今後どう実現されていくのか、読み進めるのが楽しみです!
あと、『悪魔が来りて笛を吹く』、再読したくなってきました。
作者からの返信
こんにちは!
アイディアが降ってきた時はまさに神降臨! って感じですよね。手を動かすことで見えてくるもの、あると思います。彼もそのようですが、果たして……?
悪魔を生み出す実験。
どんな研究になるか、楽しみにしていただければ。
横溝正史作品読みたくなったとのこと、嬉しいです!